水玉
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昨日アトリエで・・
僕はみんなの期待に答えて
アトリエの始まる時間ぴったりには教室に入り
いつも通り《水玉先生》として
大きめの椅子に君臨し
生徒たちの様子を眺めまわしていた
そこへ・・
バン!!
と扉が開き・・
《ユリぼうず》が乱入して来た
《ユリぼうず》はそのまま、とととと・・と魔女のところに行って膝に飛び乗り、自分がちょうど良い姿勢になるよう体制を整えて・・
眠った
開けっ放しのドアは・・
いつも通り生徒が閉めてくれた
生徒たちと魔女がおしゃべりを始めた
僕が見張っているから、子供たちはちゃんと絵を描きながらしゃべる
おしゃべりに夢中になって手を止めると
魔女が注意をする前に
僕の「おい!おい!」攻撃が始まる
子供たちはそれを心得ているのだ!
初め、そのおしゃべりは学校給食についてだった
それが家庭での食事の話になり
エグいものを食べる国がある、という話になって
そのうち
魔女がとんでもなくグロテスクな話を始めた
「家では絶対にこの話はするな・・」
などと生徒たちに口止めなんかしてさ
猫の僕だって
「うえ~!! なんだそりゃ!」 と思うようなエグい話をさぁ
始めたんだよ
あまりの話に
生徒たちはわず筆を止めてしまった
その時、いきなり・・
本当にいきなりだった
机の向こうに《ユリぼうず》の爪を出した手が見えたと思ったら
魔女の口を思いっきり横に引っかいたんだ
魔女 「いったあ~い!!」
生徒たち 「魔女、大丈夫?!」
魔女 「何するのよっ!」
ユリぼうず 「・・」
生徒たち 「血が・・ 出てるよ」
魔女 「痛いよお!痛いよお!《ユリぼうず》のバカ!」
ゆりぼうず 「ばんっ!!」
僕 「わあ! 魔女の顔を殴ったぁ」
魔女 「いったあ~い!」
《ユリぼうず》の目が逆三日月になっている・・
魔女 「いったい何なのよ!」
僕 「魔女が生徒にあんな話をするからだよ・・」
魔女 「・・」
僕 「《ユリぼうず》の方がずっと常識があるよ」
魔女 「ドン・キホーテのくせに・・?」
ユリぼうず 「ガブッ!」
魔女 「ぎゃっ、いったあ~い!」
生徒たち 「すごい関係だな・・」
今日もまだ魔女は口が腫れてます
タラコみたいに腫れてます
手には噛み傷もあります
みんなにその事を話したら
「そりゃ~ 仕方ないだろう!」って話になり・・
猫に言動をたしなめられるなんて
はっきり言って、魔女は先生に適していません
ありゃ、そのうち・・クビだな