ジョン ブリアン
夕食が終わって
僕らはいつも通りお外に出る
腹ごなしの散歩だ
みんなでドアの前に並んで
魔女が開けてくれるのを待つんだけど
その列の一番後ろに
いつも《アゾ》がいるんだ・・
ドアが開けられて
僕らはいっせいに跳ねるように廊下に飛び出す
《アゾ》は僕らを追って来るんだけど・・
ドアの前で止まる
そして、ひとり言を言うんだ
「アッ、アッ、アジョ・・ イ、イッタラ ダッメナンダカラァ~・・
イ、イッタラ・・ イッケナインダッカラ・・ ダッカラ・・」
それは毎日の事だ・・
今日もそう
《アゾ》は最後にドアから出る僕の後ろで
自分に言い聞かせるようにそうつぶやいて立ち止まった
「イッ、イッ、イッタラァ~・・ イッケナインダッカラ・・ アッジョハ・・」
僕は振り返って《アゾ》を見た
《アゾ》が何だか淋しそうに見えた
そんな《アゾ》の淋しそうな顔を遮るようにドアは閉められた
それからしばらくして
僕らがお庭で遊んでいた時
ジンジン 「あれっ、 《アゾ》だ!!」
水玉 「《アゾ》、何やってるんだ、どうしてここにいるんだ?!」
インジゴ 「どこから出たの!」
アゾ 「アッ、アッ、アジョ ワァー! マ、マ、マジョオ ガァー!
イッ!イッ!イッ!」
僕 「《アゾ》、落ち着いてゆっくりしゃべりな」
アゾ 「オッ、オッ、オッソト イッテエ~ イッ、イッ、イイッテ!!」
僕 「魔女が?」
アゾ 「マッ、マジョガア~ イイヨッテ イッタンダッカラァ~!」
水玉 「やったじゃん!!」
アゾ 「オッソト! オッソトォ~!」
インジゴ 「あっ、魔女だ!」
僕 「魔女が出してあげたんだね」
魔女 「あんまり淋しそうだったからさ、みんな、後は頼むよ」
水玉 「わかった! 後は任せて」
僕 「《アゾ》、遊ぼう!!」
僕らはお玄関からお庭に降りて
びょんびょん飛び跳ねて遊んだ
みんなで鬼ごっこをしたんだよ
だけど僕らは、《アゾ》からは絶対に目を離さないで遊んだ
もしどこかへ行っちゃうと大変だからね
僕らはしっかりと《アゾ》を取り囲んで遊んだんだ
ジンジンだけは僕らと遊ばないで
高くなってる玄関の上から、僕らのためにあたりを見張った
ほんとだったらもうお部屋にもどる時間なんだけど
みんなが楽しくなっちゃたから、延長することにした
そうこうしているうちに
《ユリぼうず》がよけいなことを言い出した
ユリぼうず 「《アゾ》、お化け屋敷に行く?」
アゾ 「・・」
僕 「やめなよ!」
ユリぼうず 「こっちだよ」
水玉 「《ユリぼうず》、やめとけ!」
ジンジン 「《アゾ》、ついて行っちゃだめ!」
ユリぼうず 「ここ、階段ね」
アゾ 「カッイダン・・」
僕 「どうしよう、降りて行っちゃったよ!」
水玉 「魔女お~! 《アゾ》が道に出ようとしてるよお~!!」
アゾ 「ジッタン!バッタン!」
インジゴ 「なんだかご機嫌だね・・」
僕らは心配で、《アゾ》の後をくっついて道に出る階段を降りようとしていた時、魔女が出てきた
お化け屋敷の方から《ユリぼうず》の呼ぶ声が聞こえた
「《アゾ》~!こっちだよ~!」
《アゾ》は声の方に向かって歩いて行った
しかし・・
《アゾ》は途中で魔女に抱えられてしまった
魔女 「はい、今日はここまで!」
お部屋に戻された《アゾ》は
興奮がおさまらず、あれからずっと走り回っている
そして、まさに今
僕と隣同士の椅子で、僕の言っている猫日記を書いている魔女のひざに飛び乗って
何度も何度も魔女にお礼を言い出した
魔女はものすごくパソキョンがやりにくそうだ 21g
(すみません、上段の 『21g』 というのは、今キーボードの上を歩いた《アゾ》が書いてしまいました。こういう事は他の猫で良くあるのですが、《アゾ》が初めて書いた(踏んだ)のが 『21g』。 これはなかなか面白いので記念に残しておきます 魔女)
《アゾ》の魔女への 『ありがとう』 がなかなか終わらないから
僕・・あと、言うこと忘れちゃった
今日はこれで日記終わります
あっ、思い出した!
その後、《ユリぼうず》は叱られました