本能 ~HUNTING~ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

水玉




mizutama07811


今日は朝からお天気で

ご飯の後外に出たら、お庭に《涼子》がいた



僕  「おはよう!」


涼子 「のんきね・・」


僕  「・・・」


涼子 「いいものあげようか」


僕  「なあに?」


涼子 「こっちに来て!」


僕  「わあ! わあっ!」


涼子 「なに感動してるのよ」


僕  「か、感動じゃない・・」


涼子 「これ、あげる」


僕  「い、いいよ・・」


涼子 「あげるって!」


僕  「《涼子》、これ食べたの?」


涼子 「当たり前でしょ、そのために獲ったんだから!

    でも食べきれないのよ」


僕  「それで僕にくれるの?」


涼子 「特別にね! 《水玉》だけだよ」



ジョン ブリアン 「《水玉》、そこで何して・・ 

                   う、うわあー!


涼子 「うるさいわね・・ 《ジョン ブリアン》はあっちに行って!」


インジゴ 「どうしたの? 大声を出し・・」


ジンジン 「うわ~! 誰これ・・」


涼子 「私が獲ったのよ!」


アゾ 「シュ、シュッゴイ! 《リョコタン》 シュゴ~イ!」


涼子 「なんで、こんなチビまでいるのよ・・」


ユリぼうず 「汗汗汗


涼子 「・・《ユリぼうず》、いつの間にいたのよ」


アゾ 「コッコデハ~、ダッ、ダアレェ~?」


僕  「鳩っていう鳥だよ・・」


アゾ 「ハッ・・ ハットオ・・ 

         アッ、アジョハァ タッ、タベルカナ」


インジゴ 「オットセイは鳩を食べたりしないものよ!」


アゾ 「ヤッ、ヤッ、ヤメテェ オッ、オックカナ・・」



僕  「かわいそうだよ・・」


ジンジン 「そうだよ、かわいそうだよ」


涼子 「なにが!」


インジゴ 「だってさあ・・


涼子 「私はね、外で暮らしてるのよ!それがどんなに大変かみんなにわかるの!」


水玉 「大変って・・ 自分で出てったんだろうが」


涼子 「あなたたちはさ、本能ってものを失くしてるのよっ!」


ジョン ブリアン 「ホンノウ・・って?」


涼子 「特にあんたはない!」


ジョン ブリアン 「ないといけないの?」


涼子 「ないと猫じゃないの!」


ジョン ブリアン 「えっ! そうなの? どうしよう・・」


涼子 「生きていくためには餌も自分で調達しないといけないの!」


ジンジン 「家で食べればいいじゃん」


涼子 「私はそんなのは嫌なの!猫らしく生きたいの!それに外の生活は寒いから体を太らせなきゃならないのよ!」


インジゴ 「確かに《涼子》、すごい冬毛だよね」


涼子 「でしょ! ごらんなさい、これが本来の冬の猫の姿」


ジョン ブリアン 「それでもこんなかわいそうな事・・」


涼子 「だからそんな事思ってたら動物は生きては行けないって言ってるでしょ!」


ジンジン 「でも・・」


涼子 「なら人間はどうなのよ!生きて行くためでもないのに戦争してさ! お金のために動物を売り飛ばして!私を責める前ろくでなしの人間に文句言いなよ!」


僕ら 「・・・」


アゾ 「ヤ、ヤ、ヤッパリ・・ タッ、タッベルカナァ・・」


涼子 「あら・・ この子、見込みがあるかも・・」



僕たちはこの事を魔女に言った



僕  「《涼子》ってさあ、見かけによらずいろんな事知ってるんだね」


インジゴ 「よくアニャマル プリャネットを見てたからね」


ジンジン 「でもやっぱり鳩さんはかわいそうだよねぇ・・ 魔女」


魔女 「かわいそうな事だったね。でも動物はみんなああして生きて来たんだよ。 みんなはご飯を貰ってお腹が空かないからやらないだけで、誰からもご飯を貰えなかったらみんな《涼子》と同じ事をして生きるんだ」


ユリぼうず 「あせるあせるあせる」 


ジョン ブリアン 「なら・・ 僕と《ユリぼうず》はとっくに終わってるね・・ どんなにお腹が空いても、僕と《ユリぼうず》には来ないもの。それなら自分がニャバーランド行った方がいい」


魔女 「確かに《ユリぼうず》と《ジョン ブリアン》には出来ないでしょうね・・  ま、末永くここで暮らしなさい!」


ジョン ブリアン 「お願いします・・」



魔女は明日、鳩のお墓を作るって


ジョン ブリアン 「魔女は優しいね・・」


魔女 「それは間違いだ、本当に優しいのは魔女や人間じゃない


ジョン ブリアン 「どうして?」


魔女 「魔女や人間のやることはすべて自分のためなんだ。 相手のためにやっているように思えてもそれはやっぱり自分のためにやってる事なの。 でも、動物はつまらない欲がない分、人間よりずっと優しくて美しくて、厳しく、しかも潔い立派な心と高いプライドも持っている。 だから魔女はみんなを尊敬しているよ」


ジョン ブリアン 「何を言ってるのかわかんない・・」


魔女 「そうだね、分かんなくてもいいよ、分かったからって

     誰も、何も変わりはしないんだから・・」



明日は《涼子》に食われた鳩の墓造りだ