お正月 | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

ジンジン




jinjin07118

年を越しても封印は続く・・


お正月ってなんだろう

お客さんがいっぱい来る日・・


魔女やここの人間の家族は

朝起きると、まず玄関を開けっ放しにするんだ


それから2階のみんなのお部屋にやって来て

よほど天気が悪くない限り

あちこちの窓を、そして天窓を、ベランダへのドアも開け放つ


それはお日様が低くなるくらいまで開けっ放しだ

それでみんなでさわやかになる


魔女はベランダに出てコーフィーを飲みながら・・まったり

《アゾ》は厳しい顔でしつこいベランダ点検

そして僕らも魔女と一緒に椅子に乗っかって・・まったり


魔女は引きこもりだからほとんど外には出ない

ただお正月の2の日の夜は毎年《猫バア》の家に遊びに行く


魔女は《猫バア》が大好きで

何日も前から会うのを楽しみに待っている

コーコーセーの頃からずっとお世話になってるんだって

コーコーセーの時の友達のお母さんなんだよ

《猫バア》の家から帰った魔女は美味しい食べ物の匂いをさせてる


それ以外はたまに絞り過ぎさんのレストランに行くくらい

ほとんど外に出ないで、このお正月も家にいる

だから魔女に会おうと思う人はここにやって来るしかないんだけど・・


やって来たお客さんの第一声は・・



お客さん 「魔女さん、この家、さ、さむい~」


魔女 「寒くないよ」


お客さん 「さむい・・ さむい・・」


魔女 「具合、悪いの?」


お客さん 「だって、窓が全部開いてる、天井も開いてる・・」


魔女 「みんな寒い?」


僕たち 「ちっとも寒かないよ!」


魔女 「ほら」


お客さん 「ほら・・って」


魔女 「コート脱いで、掛けてあげるから」


お客さん 「脱ぎたくない・・」


魔女 「お部屋でコートを着てるとおかしいよ」


お客さん 「おかしくてもいい・・脱げない」



それでここの家に遊びに来た人々はみんなコートを着たままお部屋でしゃべってるんだ

おっかしいよね~


他にもね

魔女はバカでいい加減だから

トリャプル ブッキャングを平気でやってしまう



お客さん 「おじゃましま~す!」


魔女 「いらっしゃい」


別のお客さん 「あけまして おめでとう~」


魔女 「あれ・・? いらっしゃい」


また別のお客さん 「おじゃましま~す」


魔女 「???い、いらっしゃい」



玄関が開け放しだからみんなさっさと入って来る


それで、お客さんはそれぞれ自分の飲むお酒を持ってやって来て

いつしかそれをお客さん同士で酌み交わし

ついには意気投合して騒ぎ始める


その上お酒が飲めない魔女が酔っ払い達を混ぜっ返すものだから


お客さんの酔いはますます激しくなって

すっかり自分を見失い、支離滅裂になって

もうどうにもならなくなった頃・・ 

みんな一回沈み

その後、それぞれがよたよたと帰って行く


その間、家族①が台所でジタバタしているいるよ・・


《アゾ》はこんなにたくさんの人間を初めて見たというのに

テーブルの下で腹を出してガ~ガ~眠っている

さすが・・ 猫もオットセイになると強い


《ユリぼうず》はひとりひとりの臭いを

遠慮もなく、意味もなく、ただ興味本位でかぎ回っている


僕や他の猫はそんな人間たちの様子をテーブルの下から眺める


(人間って・・ バカなんだなあ)


つくづくそう思う・・



話は変わって

おみくじ・・



ユリぼうず 「じゃんじゃに行って来た!」


魔女 「神社でしょ!」


僕  「そこはどんなとこ?」


ユリぼうず 「う・・」


僕  「わかんないの?」


ユリぼうず 「でかい紐・・カランカラン・・」


インジゴ 「わかんないわよ・・」


魔女 「神様にお祈りするところよ」


水玉 「神様って?」


魔女 「魔女みたいなものかな」


水玉 「なんだ・・ ろくでなしか」


魔女 「こぉの、罰当たりがあ!」


ユリぼうず 「人間がいっぱいだったよお」


ジョン ブリアン 「ああ、行かなくて良かった!」


ユリぼうず 「みんな! もっと社会勉強しろよ、社会勉強を!!」


水玉 「いっぱいの人間を見てどうするんだよ」


ユリぼうず 「わあ!と思って尻尾がぐるぐるまわる」


水玉 「尻尾がまわるのが社会勉強か!」


ユリぼうず 「そんなもんだよ人生なんて」


水玉 「なに語ってんだよ・・」


ユリぼうず 「それでね!魔女が紙を買って喜んだ」


インジゴ 「どういうこと?」


魔女 「『おみくじ』っていうの、魔女は今年も『大吉』っていって

     一番いいやつだったあ~恋の矢


ユリぼうず 「なんたって、魔女は悪運だけは強いからね!」


僕  「家族②も買ったの?」


魔女 「うん、家族②はいつだってパッとしないな」


インジゴ 「家族①は?」


魔女 「それがさあ・・ クックク・・クッ・・」



魔女は引きこもり系だから、いつも近所のちっこいじゃんじゃにしか行かない

それに引き換え、家族①はお正月には鎌倉の超有名なすんばらしいじゃんじゃに行くんだ


そして毎年、そこでね・・ 引いて来るんだよ


『大凶』 を!


それで家族①はすっかり大凶の達人になってしまった



家族① 「まず、がしゃがしゃと箱の中で棒をかき混ぜてね、

      それで小さな穴から1本を出すのね」


僕ら 「へえ~」


家族① 「それを〔巫女さん〕っていう若い女の人に渡すの」


僕ら 「ほ~」


家族① 「その棒には数字が書いてあるわけよ」


僕ら 「ふんふん・・」


家族① 「その数字によっておみくじの内容が違うんだけど・・」


僕ら 「違うんだけど・・?」


家族① 「渡した棒に書いてある番号を見て、巫女さんがはっとした

      ような顔をして・・」


僕ら 「して・・?」


家族① 「まずい、どうしよう・・ って感じになったら要注意ね」


僕ら 「危ないんだ・・」


家族① 「それで引き出しから出したその番号のおみくじを、わざわ

      ざ裏返しにして左矢印ここ肝心よ! でもって申し訳なさ

      そな困った顔で、けどその時こっちの目は絶対見ないの

      よ左矢印ここも肝心ね! そういう感じで渡されたら・・


僕ら 「たら・・」


家族① 「『大凶』!」


僕ら 「すごいな・・」


家族① 「なにが・・」


僕ら 「・・」