ジョン ブリアン
新しい年になるって時から魔女家は騒ぎが激しかった
人間は年の最後の夜中に、おそばっていうヌードルを食べる習慣があるらしいんだけど
魔女はそういう料理ができなくて
いつも家族②が作るんだ
家族② 「天ぷらそばにしよう!」
魔女 「わ~い!え~び、え~び、海老天だあ!」
家族① 「わ~い! 海老天だあ~!」
家族② 「何言ってるの? ちくわだよ」
魔女 「ちくわ・・?」
家族② 「うん、ちくわのてんぷらね!」
家族① 「・・・」
家族② 「大丈夫、ちくわを海老の形に切ってあげるから」
魔女・家族① 「い、いやだあー 」
こんな感じで年は越された
そして・・ 昨日
あけまして おめでとうございます
今日からしばらくは、そう言ってごあいさつをするんだって
魔女が言った
今日の朝ご飯はすごかったよ!
モンプチ削りたて鰹節入りカリカリだったんだ
僕はぶっくりしてしまって
夢を見てるのかと思ったくらいだった
しかも、しかもだよ!
夕食は[金缶]だって
知らない人には分かんないだろうけど
猫の間では名高い高級缶詰なんだ
さらに、さらにだよ!
お年玉っていうのももらったんだよ
それがね
なんと、ねずみのおもちゃなんだ!
それは僕らがクリスマス プレゼントにもらったんだけど
その時僕が病気で大変だったから
お年玉に変えたんだって
それは僕らがひとつづつもらってもまだ余るくらいにあった
僕らはきゃーきゃー言いながらねずみを追いかけたり
高く跳ね上げて、空中でキャッチしたり
かみついて振り回したりして遊んだ
僕らの動きがあまりに激しいので
魔女は写真に撮れなくて困っていた
でもそんなのカンケーナイ!
ドタバタ、ジタバタ! キャ~キャ~! ギャ~ギャ~!
インジゴ 「魔女ぉ~、《アゾ》が私のねずみを取ったあ」
魔女 「《アゾ》、だめだよ!自分のがあるでしょ」
アゾ 「アッ、アッ、アジョノ ネッジュミ
ドッカ イッタッタンダッカラァ~」
インジゴ 「それは私のだから返して」
アゾ 「イッ、イッ、イヤダ! イ、イヤナンダカラ!」
ジンジン 「魔女お、《水玉》に殴られたあ~」
水玉 「だって僕のねずみの臭いをかいだ」
ジンジン 「急に僕のところに飛んできたからなんだろうって思った
から・・」
水玉 「僕の獲物に手を出すな!」
ジンジン 「だから、そうじゃないって・・」
魔女 「《水玉》が殺気だってる」
僕 「ドテドテ、バタバタ! ドタドタ、ジタバタ!」
魔女 「《ジョン ブリアン》、元気ななったね!」
インジゴ 「ねえ、《ユリぼうず》にもねずみをあげたよね」
魔女 「あげたよ」
インジゴ 「《ユリぼうず》、うつ伏せのまま動かないよ」
魔女 「やだ、ニタニタしてる・・」
インジゴ 「わあ! 《ユリぼうず》ったら、お腹の下にねずみを入れ
てる!」
魔女 「おまえはメンドリか!」
ユリぼうず 「増やす・・」
魔女 「なに言ってんだ・・」
ジンジン・インジゴ・僕 「魔女ぉ~!
《アゾ》にねずみを取られたぁ」
《アゾ》はたくさんのねずみを胸の辺りに抱えて
ものすごく悪い目つきをしてこっちを振り返った
僕らは魔女からまた新しいねずみをもらった
《ユリぼうず》は相変わらずお腹の下でねずみを暖めて
《水玉》のねずみはすっかりハゲにされてる
新しい年はこうやって大騒ぎのうちに始まった
今年も一生懸命に頑張るので
どうかよろしくお願いいたします