検証  | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

ジョン ブリアン


jyonbri071129


《ユリぼうず》がどうやら猫じゃないらしい・・

といううわさに僕は興味を持った

それでここ数日、《ユリぼうず》を観察することにした


僕ら猫との違いを検証するんだ

(なんだか僕、色んな言葉や漢字を覚えたと思わない? こう見えても猫日記のために毎日努力してるんだ)


それでね、昨日は《ユリぼうず》の病院に同行した


(ふむふむ・・ 車の窓から外を眺めてバイクを探してる)



僕  (止まれ信号で隣にバイクが停まった・・)


ユリぼうず 「チッ・・・」


僕  (気に入らないんだな・・)


ユリぼうず 「おおぉぉぉ!!」


僕  (あ・・向こうから来た大きなバイクに反応してる!)


ユリぼうず 「ぉぉぉぉぉぉおうお~!! おおぉぉぉぉぉ・・・」


僕  「へえ、おもしろい! 《ユリぼうず》はバイクが近づいて来るにつれて大声になって、遠ざかるとバイクの音と同じように声も小さくなって行くんだね」


魔女 「ドップラー効果かい・・」


ユリぼうず 「カチャカチャ・・ カチャ・・」


僕  「・・太いヒモ(シートベルト)で遊んでる」


ユリぼうず 「カチャカチャ、ガチャガチャ、

               ・・・ジタバタ・ジタバタ!!!」


魔女 「なぁ~にやってんの!」


僕  「ヒモに挟まれてもがいてる・・ 

    魔女がヒモをダラダラにしておくからだよ」



ユリぼうず 「グイグイ! グイグイ!!」


魔女 「こっちに来ないで!」


ユリぼうず 「グイグイ・ギュギュッ!グイグイ・ギュギュッ!」


魔女 「背中に入り込まないで!」


ユリぼうず 「よっしょ~ こらしょ~!」


魔女 「頭に乗っからない!」


ユリぼうず 「タンッ!!」


僕  「運転席の前に飛び降りた・・」


ユリぼうず 「おお・・ 見晴らし最高!」


魔女 「前が見えない! どいてっ!!」


ユリぼうず 「みゅ~ みゅみゅみゅ~ 音譜


魔女 「歌うなあ!」 


僕  「魔女、《ユリぼうず》っていつもこんななの?」


魔女 「そうだよ・・ 時々急ブレーキかけてやろうかと思っちゃうよ」


バイク 「ブンブブDASH! ブンブブDASH! 

         バ~バババ~ババDASH!DASH!DASH!


ユリぼうず 「うおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ !! 」



やっと病院に着いて・・



先生 「やあ、《ユリぼうず》ちゃん、今日は兄弟と一緒なんだね」


ユリぼうず 「ああ、こいつは付き添い!」


僕  「何だよ偉そうに・・ それにしてもすっかりここの顔だな」


ユリぼうず 「《ジョン ブリアン》、まあここに座りなよ」


僕  「あ・・ うん、 ありがと・・」


ユリぼうず 「気にしないでいいよ、この病院も僕の縄張りだから」


僕  (こ・・ こんなところまでかい!!)



僕が長い椅子に座ってあちこち見ていると・・


いきなりまだらの大きな犬(ダルメシアン)が入って来た!


僕は驚いて魔女にしがみついた

僕がすごくあせっていたから、魔女は僕をバスケットに避難させた


《ユリぼうず》は相変わらず犬に向かっても威張って・・



ユリぼうず 「君、犬だねえ」


犬  「そうだよ、君はどこが悪いの?」


ユリぼうず 「時々お腹に石が・・ケッケケ! 

       石が溜まっちゃたりするんだよね~ ケッケケ」


犬  「僕も同じ病気なんだ・・ ところで、なんで笑ってるの?」


ユリぼうず 「・・・」


犬  「・・ 僕・・ 病院嫌いなんだよ」


ユリぼうず 「そりゃそうだろうよ 

            この病院は僕の縄張りだからね!」


犬  「い、いや・・ そういう事じゃなく・・ え? そうなの?!」


ユリぼうず 「だからこうやって君は床に

              僕は椅子に座っているんだろ?」



先生 「《ユリぼうずちゃ~ん》!どうぞぉ」


ユリぼうず 「へいへ~い!」


yuri071129


その間僕は待合室で、バスケットの中にひとりぼっちだった

そんな心細いところにもってきて



犬  「君はどこが悪いの?」


僕  「ぎょっ!! そ、そんな大きな顔で覗かないで・・」


犬  「ねえ、どうしたのさ」


僕  「なんだよ、 は、話しかけないで!」


犬  「 まったく・・ 猫はフレンドリーじゃないんだから


僕  「・・さっき、《ユリぼうず》と話してたじゃん」


犬  「だって、あれは猫じゃないじゃないか」


僕  (やっぱり・・ 猫じゃなかったんだ・・)



《ユリぼうず》が戻って来た



犬  「ど、どうだった?」


ユリぼうず 「どうって事ない!」


犬  「注射した?」


ユリぼうず 「しなかった、別に注射したっていいし!」


犬  「注射・・ 平気なの?!」


ユリぼうず 「この前巨大な注射を2つしたね!」


犬  「・・ ・・・ かさかさ !! 」


僕  (わあ! 犬の足がガタガタ震え出した)


犬  ガタガタ・・ブルブル・・ ガタガタ・・ ブルブル・・



先生 「《ジョニーちゃん》! お待たせしました、どうぞぉ」


犬  「やだ!やだあ~! た、助けて!」


ユリぼうず 「いってらっしゃい!」


犬  「いやだあぁぁぁぁ~~!!」



飼い主のおばさんは、まるで綱引きをするようにして《ジョニー》を先生のお部屋の方に引っ張った

《ジョニー》はゼーゼー言いながら

絶対にこっちを向いたまま、少しずつ引きずられて尻尾から先にお部屋に消えてった


ユリぼうず 「なかなか往生際の悪い犬だな・・」


《ユリぼうず》は帰り道もピクニック気分で

ケッケと笑ったり、歌ったり、窓に張り付いてバイクを探したりしていた



そして今朝


《ユリぼうず》はテレビ台にマーキングして魔女にうんと叱られた

魔女はぶつぶつ言いながらそこを拭いて

ショーシューなんとか(消臭剤)で《ユリぼうず》の臭いを消した


それを見て《ユリぼうず》の目が、見る見る逆三日月に変わって行った



ユリぼうず 「もう怒ったぞ! 前から気に入らないと思ってたんだ! 今日こそ絶対に許さないからな・・」


僕  「自分が悪いから叱られたんじゃないか」


ユリぼうず 「あのテレビ台は僕の縄張りなんだぞ!」


僕  「テレビ台なんかを縄張りにしてどうするんだよ・・」


ユリぼうず 「こうなったら仕返しをしてやる!!」


僕  「ちょっと待ってよ! 魔女に何をするつもりなの!」



僕の制止を振り切って

《ユリぼうず》は恐い顔で立ち上がり・・


なんでだか・・

ショーシューザイに向かって、捨て身のおしっこをひっかけた