僕らのテリトリー | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

ジンジン



jinjin071127

相変わらすバッグを封印し続ける僕   しつこい?


《アゾ》は朝ごはんを食べ終わると自分の縄張りであるベランダの点検に取りかかる

耳を寝かせ、厳しい目つきでベランダの隅から隅まで検査する


もうすっかり寒くなったから、飛んでくる虫もいないし

この頃は手すりにつかまって賑やかに鳴く鳥もいなくなった


だからどんなに念入りに点検しても、何ら変わった所もないんだけど

《アゾ》は毎朝の日課を欠かさない


それが済むと、ベランダのテーブルに乗っかってしばらく空を見る

それから、その場に寝そべって誰かがここを訪れるのを楽しみに待つ


それが毎日の事だ


今日も朝から曇り空だったけど・・



僕  「さて、ベランダに出てみるかな」


ジョン ブリアン 「僕も行く!」


インジゴ 「私も!」


アゾ 「イ、イ、イ・・・ イラッシャイマセ~ェ!!」


僕  「あ、はい・・ おじゃまします」


アゾ 「ド~ジョオ! イ、イスニドウジョ~オ」


ジョン ブリアン 「僕・・ 手すりに乗りたいんだけど」


アゾ 「ア・・ ド、ドコデモ カッテニィ ド~ジョォ~!」


水玉 「お邪魔しま~す!」


アゾ 「イ、イラッシャイマセ! 《ミジャタマ》モ~ 

       コ、ココニィ・・スワッテ クダッシャイマセェ~」


涼子 「私も来たけど!」


アゾ 「ド~ジョオォォ~!」


ユリぼうず 「・・・」


アゾ 「イッ、イッ、イッ イラッシャイマシタ ?」


ユリぼうず 「いらっしゃいました・・」


アゾ 「・・・」



アゾは自分の縄張りにみんなが遊びに来た事をとても嬉しがり

ベランダ中をむやみに走り回って喜びの心境を表現していた




水玉  「なんか・・ これじゃ縄張りの役目果たしてないような・・」


僕  「自分の縄張りの入る奴をこれほど歓迎していいのか・・」



水玉 「ねえ、みんなの縄張りってどこら辺?」


涼子 「もちろん私はお化け屋敷!あ、それと隣んちの芝生」


僕  「《涼子》、よそん家に入るのは止めなよ・・」


インジゴ 「私は下の細い道の先のある家のビワの木のまわり」


僕  「ちっちぇえー!」


水玉 「そういう《ジンジン》の縄張りなんて、魔女の声が聞こえる範囲じゃないか」


ユリぼうず 「なんたって、魔女コンだからね」


僕  「うるさいな! 《ユリぼうず》なんてよその猫の縄張りを荒らしまくりじゃないか!」


ユリぼうず 「どっこもかっしこも僕の縄張りぃ!!」


水玉 「ちゃんと決めなよ!」


涼子 「グレムリンなんだから、猫の常識を言っても無理よ・・」


インジゴ 「《ジョン ブリアン》は?」


ジョン ブリアン 「僕は・・ お庭とうちの駐車場」


水玉 「なんだよそれ! 共有地じゃないか」


ジョン ブリアン 「じゃあ、《水玉》は?」


水玉 「僕は、下の公園の手前のアパートから、トミニャガさんちの前を通って行く丘の上と、この辺りの住宅地一帯かな」


インジゴ 「すご~い!!」


ジョン ブリアン 「公園の手前のアパート・・ 《水玉》、誰かそこに知り合いがいたりする?」


水玉 「どういう意味だよ」


ジョン ブリアン 「あ・・ いや、何でもない」


水玉 「縄張りが一番狭いやつは《ジョン ブリアン》だな」


ユリぼうず 「違うねえ・・」


水玉 「他にもっと狭いやつがいるっていうのか!」


ユリぼうず 「ほら、お部屋の中で眠りこけてる・・」


僕ら 「・・・ 魔女か!!」


僕  「そうだよ!ほとんど家から出ないじゃん」


ジョン ブリアン 「そうそう、外に出るなんて、いよいよ食べ物がなくなった時か《ユリぼうず》の病院くらいじゃない?」


涼子 「当たり前だよ、 引きこもりなんだから」



インジゴ 「食べ物っていえば・・ 魔女、この頃ほとんどご飯食べてないよねぇ」


僕  「僕もそれを心配して『ご飯食べなきゃだめだよ』って言ったんだ。 そしたらほとんど動いてないから食べなくていいって」


ジョン ブリアン 「お腹減らないのかな・・」


ジンジン 「そういえば、《ユリぼうず》の病院の帰りにみかんを箱ご買って来たよね」


インジゴ 「ご飯の時間になるとそれを食べてた。 私も毎日1個もらったよ」


涼子 「それを5回夜が来たくらいで全部食べ終っちゃった」


水玉 「やることがいちいち極端なんだよ・・」



インジゴ 「この前チヨちゃんが魔女にどのくらい歩いたかを計るメダルを付けてたね」


水玉 「マンポケっていうらしいよ」


ジョン ブリアン 「うん、僕も見た。 それでどのくらい歩いたの?」


水玉 「一日が終わって、チヨちゃんが

   『ひぇ~!ごひゃっぽ~!!』 って叫んでた」


ジンジン 「あの日は魔女は意識して歩いてたよね」


インジゴ 「ごひゃっぽ・・っていうのは多いの?」


僕ら 「・・・」


涼子 「・・・すごいんじゃないの?」



外はなかなか寒いから、僕らはお部屋に戻った


お部屋では極端に縄張りの狭い魔女が相変わらずぼんやりしていた

それにしても、猫よりも縄張りが狭い人間(?)ってどうなのよ・・


そういえばこの前テレビで防災訓練っていうのを見た


非常時に避難所までたどり着くのは魔女には無理だと思われ・・

それ以前に、例え非常時でも人間の多い場所に向かうとは到底思えず

その場合、僕らの避難生活というのはいったいどうなるんだろう



たぶん、僕らがやっかいな魔女の面倒を見て暮らす事になるんだろうな・・