進化 | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

ジョン ブリアン


僕は今日も《ユリぼうず》の観察を続けている


今日も寒くて・・

僕らはほとんどお部屋から出ないで暖かいカーペットの上で寝ている


そんな中、《アゾ》だけがおもちゃカゴから光るおもちゃを持ち出して

それを自分の利き手で遠くに飛ばしては追いかける、という遊びを飽きもせず繰り返している


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そんな《アゾ》を《ユリぼうず》が上目づかいでウザそうに見ている

僕はそのうち《アゾ》が襲われるじゃないかと気が気じゃなかった


以前、《ユリぼうず》に襲われては、その度にビャ~ビャ~泣いている《アゾ》に対して

魔女と僕たちは《アゾ》が我慢強くなるしか方法がないと結論を出した


魔女なんて

《ユリぼうず》は猫じゃないんだから

宇宙生物なんだから

猫の常識がわからないんだから

《ユリぼうず》には言って聞かせようがないから・・

《アゾ》が強い子になって我慢するしかないんだよ


そんな無情なことを告げていた



アゾ 「ギャギャギャ~!!

ギャッギャッ!!!! 」


僕  「魔女ー! また《ユリぼうず》が《アゾ》を襲っているよ!!」


魔女 「そのようね」


僕  「やっぱり、助けてあげないの・・?」


魔女 「どんなに襲われても《アゾ》がケガひとつしている訳じゃないんだからいいわよ」


僕  「僕、思ったんだけど、《ユリぼうず》は一緒に遊びたいだけなんじゃない?」


魔女 「《ユリぼうず》は不器用なんだよ・・」


僕  「僕は子供の頃から《ユリぼうず》に遊んでもらって痛かった」


魔女 「それでも毎日一緒に遊んでたじゃない」


僕  「どうしてかな・・ 毎日遊んでたよねぇ」


魔女 「さあ、どうしてなんだろうね」



そんな話をしているうちに《アゾ》と《ユリぼうず》の騒ぎは治まっていた

そして《アゾ》がまたひとり遊びを始めた


《ユリぼうず》はカーペットの上にぼんやりと座っている


《アゾ》が遊びに飽きたらしく、 っていうか

遊んでいた光るおもちゃが棚の下の隙間に入ってしまったみたいで

それを必死で手を伸ばして取ろうとしていたけどダメで

ついに諦めて、つまらなさそうにカーペットの方にやって来た


《アゾ》の歩きが止まった・・

その先に《ユリぼうず》が、相変わらずぼんやりと座っている


《アゾ》がじぃ~っと《ユリぼうず》を見つめている


しばらくして

《アゾ》が《ユリぼうず》に方にゆっくりと歩いて行った・・


寝そべっていた僕らは、それを見ていっせいに顔を持ち上げた


《アゾ》は少しづつ近づいて行き・・

《ユリぼうず》の顔の前で止まった


僕らは思わず上半身を持ち上げた



バン!!



《アゾ》が・・  え・・? うそだろ・・

《アゾ》が・・ いきなり《ユリぼうず》の顔を・・  殴った



僕ら 「 !! 」


ユリぼうず 「・・・」


ババ~ン!!


ひぃえ~!!  ま、また殴った!


僕ら 「・・・」


ユリぼうず 「・・・」


《アゾ》はそのまま僕らのところにまで来て眠ってしっまった


《ユリぼうず》は・・

反応が遅いのか、現実を把握できていないのか


目を細くして、後ろ足でもって殴られたほっぺをかきかきしている



インジゴ 「・・今のなんだったの?」


僕  「わ、わからない・・」


ジンジン 「ちょっと起きろよ、おまえ《ユリぼうず》を殴ったよ・・ね」


アゾ 「・・・ ナ、ナ、ナグッタア~」


僕  「どうして?」


アゾ 「ア、アジョ ブッチャウカナ・・ソウシュルカナ・・

    ッテェ オモッタンダカラア ナ、ナグタッタア~~」


水玉 「衝動的行為なんだ・・」


ジンジン 「深い意味は何もないんだ・・」



なぜか《ユリぼうず》からの報復はなかった

その後、みんなしてぐっすり寝てしまった


夕方になって

僕らは起き出した


突然!


ドタドタ・バタバタ!!むかっ 


「ギャ~ギャ~! ギャッギャッ!! !! 」


また《ユリぼうず》が《アゾ》を襲っているよ・・

一日5回は《アゾ》はこうやって襲われている


そして夕食後・・

僕らはまったり横になっていた


《ユリぼうず》はぐっすり眠っている


アゾ 「ンン~! ガブガブ!」


ユリぼうず 「ぐえっ!ぐえっ!!」


アゾ 「ガブガブ!!」



わあ!! 《アゾ》が・・ 眠っている《ユリぼうず》の上に乗っかって

喉にがぶがぶ噛みついているじゃないかぁ!


さすがにこの時《アゾ》は《ユリぼうず》に突き飛ばされた

でも《ユリぼうず》は、またそのまま眠ってしまった



僕  「なんでいきなり《ユリぼうず》の噛んだの?」


アゾ 「・・・?」


僕  「わかんないの?」


アゾ 「カ、カ、カンジャウカナ・・ ッテ オモッタンダカラア~」



この前までは《ユリぼうず》に襲われて毎日泣いていた《アゾ》

それでも魔女にかばってもらえず

どんなに泣いても騒いでも

ただ襲われるままに放っておかれて・・


いったいどうなるのかと思っていたら

最近では襲われてもぜんぜん泣かなくなった


襲われた後っだってケロリとしてまた遊んでいる


《アゾ》は自分で気づかないうちに進化しているんじゃないかな・・



僕は今日、《ユリぼうず》を行動を観察するつもりだったのに

いつの間にか《アゾ》の話になってしまいました