ジョン ブリアン
今日、お日様がてっぺんくらいになって
魔女のお腹が減った
家に食べるものがない・・
魔女は何回もおさいふの中身を確かめてから
キョンビニへパンを1個買いに行く事にした
それで僕ら、男の子軍団の全員がついて行った
いつも僕らはほとんど自動車の通らない裏道を歩いて、公園まで行く
そこからキョンビニまでは大通りだから僕たちはついて行かない
みんなして公園の横の木陰で魔女の帰りを待つんだ
今日も僕らは公園の横で魔女を見送った
ジンジン 「今日は暖かだね」
僕 「うん、感じがいいね」
水玉 「あ・・ バッタ・・」
なんて言いながら、魔女の後姿をナニゲにみたら・・
わあー!!
ま、魔女の後ろを!!
《ユリぼうず》 が歩いてる・・
いつものちょこちょこ歩きで、ついて行っちゃってるじゃないかあー!
僕らは車通りのギリギリまで行って
魔女に知らせようと、みんなしてぎゃ~ぎゃ~騒いだ
けど、車の音がうるさくて・・ 僕らの声が届かない
僕らはこれ以上できないくらい首を長くして 《ユリぼうず》 の小さな体を目で追った
魔女、《ユリぼうずに》 気づいて! 後ろを振り返って!
2人が少しづつ小さくなってく・・
僕は思わず車通りに出ようとして 《水玉》 に止められた
1台のトラックが通り過ぎた後・・
ビニール袋が風で飛ばされたように道の真ん中で踊り始めた
《ユリぼうず》 が・・
それに気づいた・・
立ち止まって首をかしげてる
まずいよ・・
まずいよぉ!!
案の定
ちょこちょこ走りで道の真ん中に向かってった
僕たちはまばたきもしないで 《ユリぼうず》 を目で追った
《ユリぼうず》 は道の真ん中でふぁ~ふぁ~揺れるビニール袋を追いかけ出した
そ、そして・・
向こうから自動車がやって来たじゃないかあ~!
《ユリぼうず》 はビニール袋に夢中でまったく気づいてない!
自動車も何でだか 《ユリぼうず》 に気づいてない
だって、ぜんぜん自動車の速さがゆっくりにならなくて・・
《ジンジン》 は目をつぶって後ろを向いてしまった
僕と 《水玉》 は 《ユリぼうず》 の方に向かって必死で叫んでた
《ユリぼうず》 がやっと自動車に気づいたけど・・
気づくのがあまりに遅すぎて・・
道の真ん中に腹ばいになり
そのまま石になってしまった
僕の体の毛の全部がバリバリにさか立ったその時
黒いものが自動車の前に飛び出して
ギャギャッ~って、すごい音がして自動車が魔女の真ん前でななめに止まった
車の人 「車が見えないのか!
何考えてんだよおー!!」
魔女 「道に猫がいるのが見えないのか!
どこを見て運転しているんだ!」
魔女は石になってる 《ユリぼうず》 を抱き上げ、車の人にガンを飛ばした
そして、そのままキョンビニに入って行った
少しして、パン1個と 《ユリぼうず》 を抱えて、魔女が戻って来た
僕らはパニックでふらふらになっていて
いまにも倒れそうだった
帰り道、僕らはひどくヨタヨタしながら歩いた
だのに 《ユリぼうず》 は相変わらずちょこちょこ走りで元気だった
家に帰ってからは
僕らはどこにも出ないでずっと寝てた
少しの間の出来事が、僕らを1年分くらい疲れさせた