ジョン ブリアン
ぼくはまだしょんぼりしてて
まじょは 《アゾ》 の事でぼくにお話しをした
魔女 「 《ジョン ブリアン》、我慢してね・・
《アゾ》 も可愛そうな子なんだよ」
ぼく 「どして・・」
魔女 「よその家の物置の狭い所で生まれて、その家はお年寄りのお爺さんが住んでいてね、また子供を産むといけないからって、お母さんは手術のために病院に連れて行き事になったんだよ。 それで残された子供はあちこちにもらわれて行って、最後に残った 《アゾ》 がここに来たの」
ぼく 「それで、せまい所ばかりに入っちゃうんだね。 そしてさいごまでもらわれないで残ったのは恐い顔でシャーシャーうなるから?」
魔女 「どうなんだろうね・・ きっとお母さんによその猫には気をつけなさい、って言われてたんじゃない?」
ぼく 「ぼくだってお母さんにそう教わったし、恐い猫にも追いかけられたよ。 でも、ここに来て、いっぱいの知らない猫に会ったけど、ぼくはうなったりしなかった。恐かったけどじぃーっと動かないで、いっしょけんめがまんしたよ。そしたらみんなすごくやさしくしてくれた。 《アゾ》 だってそうすればいいじゃん」
魔女 「それは 《ジョン ブリアン》 がすごく賢くて良い子だったから出来たんだよ」
ぼく 「 《アゾ》 は?」
魔女 「バカなんだよ」
ぼく 「・・・」
会話・・ 終わった
さいきん、《アゾ》 はぼくらの方に近づいて来るようになった
自分から近づいては、あい変わらずしゃーしゃー怒ってる
(バカなんだ・・)
いきなり 《ジンジン》 のしっぽにかみついてぶたれてる
(バカなんだ・・)
《ユリぼうず》 にすごい顔でいかくして、なぐりたおされてる
(よりによって 《ユリぼうず》 にあんなことするなんて・・ なんてバカなんだ・・)
トイレで寝てるよ
(バカ・・)
ぼくはだんだん心配になってきた
ぼく 「まじょ、バカはなおらないの?」
魔女 「イヤ、子猫のバカは治ったりもするよ」
それを聞いて少し安心した
《アゾ》 がおりこうになるといいな・・
そう思うようになったよ