才能 | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

水玉


誰かが行方不明になると、《ユリぼうず》 の出番が来る


yuri07723 寝るのが趣味の《ユリぼうず》

今までだって

4回分の夜の間行方不明だった 《今日ちゃん》 や、3回分の夜いなくなった 《水玉》 、そして 《伐》 の時も

《ユリぼうず》 があっという間に探し出したんだ

《今日ちゃん》 と 《伐》 の時は最悪だった、魔女が知らずに4日間も魔女用アトリエに閉じ込めていたんだ・・


《涼子》 だってここに来たばかりの頃

ベランダから下の草むら落っこちて

せっかくお家、っていうものに慣れたところだったのに

先日までノラ生活だったものだから

地面の臭いをかいだとたんに心がノラに戻っちゃって

魔女が連れ戻そうとしても、どんどん遠くに逃げて行き

よその家の物置の下に入り込んで出てこなくなっちゃった時だって


《ユリぼうず》 が出動し


出動っていうと、何だか勢いが良いみたいに聞こえるけど

いつだって 《ユリぼうず》 はグータラと眠っているところを、無理矢理起こされて連れて来られるものだから


そんな緊急事態、及び緊張状態の中にあっても


ぼぉ~とした顔、半開きの目で

ふぁ~ぁぁぁ・・

と何回もあくびをしたりして、みんなをイライラさせる


魔女が 《ユリぼうず》 を振り回して

「お願いだからきちんと目を覚まして! 緊急なんだから あせる

と大声で言うんだけど


当分はダメなんだな・・


みんなでイライラしながらしばらく待つと・・

《ユリぼうず》 が少しづつ覚醒してくる


そしてやっと事態を飲み込むと・・

突然目が逆三日月形になり、シャキーン!とした顔になり


突然出動する


そうなると、

きちんと現場も伝えていないのに


タッタカ歩き出し

姿を消し


間もなく

《涼子》 を連れて戻って来た・・


それで、僕らと魔女でどんなに探しても見つからない 《ジョン ブリアン》 を 《ユリぼうず》 に探してもらう事になった


それにしても・・ 魔女も勝手だよな

みんなで 《ジョン ブリアン》 を探しに行く時、《ユリぼうず》 は 「僕も行く!」 って言ったんだ

けど、魔女は 「《ユリぼうず》 は病気が治ってないからダメ!」 って、留守番にしたんだよ


それで、見つかんなかったから 「やっぱ 《ユリぼうず》 に探させよう」、なんて言い出すんだ


ああ、それでね


《ユリぼうず》 が魔女を連れて 《ジョン ブリアン》 探しに出かけたんだ


僕らは心配しながら駐車場で待った

そのうち、みんなで道の真ん中まで出て 《ユリぼうず》 と魔女が行った方を眺め始めてた


しばらくして向こうの角から魔女らしきものの形が見えた

僕らは確かめようと少しずつ近づいてみた

(魔女だ!)

魔女が 《ジョン ブリアン》 を抱っこしている

僕らはいっせいに走り出した


《ジョン ブリアン》 がすごく情けない顔で抱かさっていた

今にも泣き出しそうな顔だった



僕  「 《ジョン ブリアン》、どこにいたんだよ、心配したよ」


インジゴ 「お家に帰ろうね」


ジンジン 「あれ・・ 《ユリぼうず》 は?」


魔女 「あぁ・・帰り道で大きなトカゲさんに会って、道草くってる」


インジゴ  「トカゲさんと草食べてるの?」


魔女 「そういうんじゃなくて・・」



《ジョン ブリアン 》は林の斜面にうずくまってたって

《ユリぼうず》 はさっさかそこまで案内したって


散歩でだって行った事もない林なのに・・

《ユリぼうず》 って・・すごいね



《ジョン ブリアン》 はお家に帰って来ても

ベランダの角っこで外を眺めてばかりで


お部屋には入って来ない

子猫が嫌なのかな・・


《ジョン ブリアン》 はまだ子供で、いつもひとりで遊んでいるから


「これからは遊び仲間が出来て楽しいだろうね!」

と魔女が言っていたのに


ぜんぜん方向が違っちゃってるじゃないか・・


今、《ジョン ブリアン》 の心は複雑です