涼子とベス | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

涼子


ryouko07711


今日は 《ベス》 と遊ぶ日


遅くなって雨が降るといけないからって

朝早いめに 《ベス》 を迎えに行った


私 「《ベ~ス~》、 あっそびましょ! 音譜


ベス 「ナア~ゴ、ウルルルル~ ラブラブ


トミニャガさん 「雨は大丈夫かしら・・ 汚れるから今日はやめておいた方がいいんじゃないの?」


涼子 「・・・」


ベス 「ガルルルル~ シャ~!! フハア~ むかっ


トミニャガさん 「・・・」


魔女 「じゃあ、連れて行きま~す!」



魔女はお化け屋敷まで私たちを送ってから

《ユリぼうず》 が心配だから、ってすぐに帰ってしまった


私  「《ベス》、何して遊ぶ?」


ベス 「木登り」


私  「いいよ!」


しかし・・

選んだ木がいけなかった


いつもは低い桑の木に登っている 《ベス》 が

今日は梅の木に登り始めたの



ベス 「痛いっ!だ、誰かが毛を引っ張ってるよおぉぉぉ!」


私  「それはトゲだよ!梅の木のトゲに 《ベス》 の長い毛が引っかかっているんだよ」


ベス 「そのトゲっていうのは何?! 意地悪な生きもの?」


私  「生きものじゃないよ、その木に付いてるんだよ」


ベス 「木についてる虫かぁ~!」


私  「だぁかぁら~!」


ベス 「私負けないからね!!見てて!」


私  「そ、そんな問題じゃ・・」



《ベス》 は長い毛をトゲに引っ掛けたまま、勇ましい顔をしてどんどん上に登って行った

けど、トゲは 《ベス》 の毛を離さなくて

引っ掛けた毛はトゲのものになってしまい


梅の木のあちこちに、長くて白い花が咲いたようで

その花は、風が吹く度にふぁ~ふぁ~ゆれた


(お化け屋敷に良く似合うなぁ・・)

私はそう思いながら目を細くしてそれを見ていた


《ベス》 は梅ノ木の枝をぷるぷるしながら渡り歩き

梅ノ木は枝をわっしゃわっしゃと震わせた


しばらくして、やっと 《ベス》 が下りて来た


《ベス》 は

短い間にものすごく痩せていた・・



私  「 《ベス》、痩せたちゃったね・・  しかも、ところどころが禿げている・・よ」


ベス 「私、戦ったから! そして勝ったんだ!!」


私  (何を根拠に勝った、などと言っているんだろう・・)


ベス 「私、自信がついた!」


私  (・・・何についての自信なんだろう)


ベス 「あ、雨だ・・」


私  「家に帰ろうか」


ベス 「どこの家によ!」


私  「私んち」


ベス 「ならいいわ!」



私  「魔女~、雨が降って来たから帰ってきたぁ」


魔女 「お帰・・ ん?、 あなた誰!」


私  「 《ベス》 だよ」


魔女 「ぎょえ~~~!! これ・・ 《ベス》 ?!」


ベス 「こんにちは」


魔女 「ま、マズイよ! この 《ベス》 はマズイでしょう」


私  「梅ノ木に白い花が咲いたの」


ベス 「私、負けなかった!」


魔女 「こりゃぁ! 相当な数の花が咲いちゃったでしょう!」


ジンジン 「絶対にヤバイよ・・」


水玉 「やな予感がする・・」



トミニャガさん 「ごめんください! 魔女さーん」


水玉 「来たっ!」


ベス 「やだ、まだ帰んない!」


魔女 「ちょっと、《水玉》、玄関まで 《ベス》 を連れてって、んでもって魔女はいません、って言って」


水玉 「やだよ! 第一トミニャガさん、言葉通じないじゃん」


魔女 「 《ジンジン》 ・・」


ジンジン 「いやだ!」


魔女 「 《ジョン ブリアン》 ・・」


ジョン ブリアン 「■÷β×▲=◎○ リサイクル



魔女は渋々玄関に下りて行った

私たちは階段の途中でひしめき合って様子をうかがった



魔女 「あ~ら、トミニャガさん、どうなさいました?」


トミニャガさん 「どうなさいました? って、《ベス》 のお迎えでわよ、雨が降ってきましたからね」


魔女 「あ、雨ね・・ 梅雨ですねぇ、大きなカタツムリが、最近はいなくて・・ ナメクジはコウガイヒルのご飯・・」


トミニャガさん 「また訳の分からん事を・・ いいから 《ベス》 を連れて来て下さいな!」


魔女 「 《ベス》・・?」


トミニャガさん 「魔女さんっ!!」



魔女は2階に戻って

《ベス》 を抱え

深呼吸をして

玄関に向かった


魔女 「こちら・・ 《ベス》 でございます」


トミニャガさん 「分かってます! わよ・・・ 

                   何ですの? これ」


魔女 「《ベス》 ですが・・ 何か?」


トミニャガさん 「えっ・・ ダッチャャャー!! 

ど、ど、どういう事?!」


魔女 「毛をすいてみました!」


トミニャガさん 「すいてみた、って・・ こんなにまだらに・・ しかもあちこち、 は・・禿げてるし」


魔女 「あぁ、それは毛をすいてる途中で 《ベス》 が突然動き出したせいで、本当にもう大変でした。親の心子知らず、って言うんでしょうかねぇ」


トミニャガさん 「なぁにがあーぁぁあ!!」


魔女 「だぁってぇ、《ベス》 は涼しくなったって、喜んでますよぉ」


トミニャガさん 「すっかり 《ベス》 じゃなくなってるじゃない!!」


魔女 「大丈夫! 心は変わらず 《ベス》 のままですから」



私 「確かにあの姿はペルシャ猫にはほど遠いわよねぇ」


水玉 「それにしても魔女には呆れるな!」


ジンジン 「トミニャガさんが猫語を理解出来ないことをいいことにして・・」



トミニャガさんは体中から蒸気が出るくらい怒って

《ベス》 を抱えて帰った


お化け屋敷のお庭では相変わらず 《ベス》 の毛が梅ノ木のあちこちで揺れて


夜に行ってみたら、かなり不気味だった