水玉
昨日、魔女と僕らは一日中 《ユリぼうず》 に付き添っていた
魔女がどうしても銀行、っていう所に行かなくちゃならなくて、急いで行っちゃった間は
僕らが 《ユリぼうず》 のまわりをしっかりと囲んで心配した
それ以外の時間、魔女は 《ユリぼうず》 から離れず
手で 《ユリぼうず》 の体を細かく確かめるみたいに触ったり、顔をくっつけて体中の臭いまでかぎだした
「何か原因があるはずだ、それを突き止めなきゃ・・」
とブツブツつぶやきながら・・
昨日の日記を 《ジンジン》 と 《ジョン ブリアン》 で言う時も、魔女は 《ユリぼうず》 をお膝に抱えていた
《ユリぼうず》 は、相変わらず目が見えていないみたいだし・・ 体も動かさない
その後、少したってから・・
魔女 「わかった・・」
僕 「何なの!」
魔女 「言っても分からない、そんな事より急がなきゃ!!」
ジョン ブリアン 「まじょ、どこに行くの!?」
魔女 「抗生剤がもっといる!病院に行ってくるから 《ユリぼうず》 を頼む!」
ジンジン 「《ユリぼうず》 を連れて行かないの!」
魔女 「こんな状態じゃ動かせない!」
魔女はそう言って家を飛び出して行った
魔女がコウ・・なんとかという薬を取りに行っている間に
家族①が魔女に言われたものを急いで用意している
薬箱をひっくり返して何かを探したり
綿を用意したり
庭から変な植物も取って来た
すごい勢いで魔女が病院から戻って来て
すぐに 《ユリぼうず》 に薬を飲ませ
それから、僕たちに少しの間部屋から出るように言った
僕たちは言われた通りに部屋を出て
ドアの前にかたまって中の様子を心配した
《ジョン ブリアン》 が背伸びしてお部屋の中を覗こうとしたけど
どんなに頑張ってもガラスの所までは届かなかった
ドアの前で待っている僕らは
すごく長い時間に思えた
実際、少しの間じゃなかったと思う
やっとドアが開いて、僕らは恐る恐る中に入って 《ユリぼうず》 のそばに行った
《ユリぼうず》 は・・
相変わらず動かないままだった
ジョン ブリアン 「元気になるよね・・」
魔女 「私たち家族も、日記を読んでくれている人たちも、アトリエの仲間も、みんなが心配してくれて、ニャバーランドの 《今日ちゃん》 も 《伐》 も守ってくれるから、みんなのその気持ちが伝われば、きっと大丈夫だよ。《ユリぼうず》が頑張ってくれる事を信じよう」
そして今朝・・
魔女と 《ユリぼうず》 を囲むようにして寝ていた僕らが見たもの
《ユリぼうず》 が隣で寝ている魔女の顔をなめてたんだ
横になったままだったけど、なめていたよ
そして、利き手側の目が動いてた
(右の目の瞳孔が動いていた)
お昼になる頃にはご飯を少しだけ食べた
それから、それから・・
倒れそうになりながらだけど、少しだけ歩いたよ
《ユリぼうず》、頑張れ!
もっと元気になるんだ!!