ユリぼうずが・・ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

ジンジン


《ユリぼうず》 が倒れた・・

昨日の朝のことだ



その前の夜、《ユリぼうず》 が魔女にしがみついて言った


ユリぼうず 「魔女・・ 僕、変だ・・ すごく気持ちが悪い」


魔女 「わっ、熱が高い! 風邪かしら・・ 明日病院に行こう」



それで次の朝

《ユリぼうず》 はひどく元気がなくて

朝ごはんを少しだけ食べて庭に出て行った


ジョン ブリアン 「まじょー! まじょー!!」


魔女 「どうした!?」


ジョン ブリアン 「早く来て! 《ユリぼうず》が!

        《ユリぼうず》 がぁぁ あせる



玄関で 《ユリぼうず》 がご飯を吐いていた


でも、僕らが驚いたのはその事じゃない


《ユリぼうず》 の頭と目はゆらゆら揺れて・・

悲しい悲鳴をあげて魔女を呼んでいたんだ


魔女が 「《ユリぼうず》、しっかりして!」 と叫ぶと

《ユリぼうず》 は辛そうに叫びながら、一生懸命に魔女の声の方に行こうとして立ち上がっては、倒れた

魔女は 《ユリぼうず》 に駆け寄り

《ユリぼうず》 は魔女の声の方に向かって這って行った


・・・目が見えていない


僕らは立ち尽くしていた


魔女は必死でしがみつく 《ユリぼうず》 に何度も言った


「大丈夫だから! 大丈夫だから!」


《ユリぼうず》 の頭は、相変わらず揺れていて

目もあっちとこっちを行ったり来たりしている



魔女 「瞳孔が開いている! 病院に連れて行く!!」


ジョン ブリアン 「ぼくも行く あせる


魔女 「だめだ、 車乗れないでしょ!」


ジョン ブリアン 「乗れる! いっしょに行くんだ 汗



《ジョン ブリアン》 は泣き顔で言い張った


アトリエが始まる時間だった

魔女は、やって来た生徒さんに 《ユリぼうず》 の事を話し

病院に行かせて下さい、と頼んだ


生徒さんたちは、早く行って下さい」 と言ってくれた


《ジョン ブリアン》 も一緒について行った

車は苦手のはずなのに、《ユリぼうず》 と一緒に乗って行った・・


僕らは留守番をしていて・・

心配のあまり、誰も話さなかった

同じ部屋にいて

誰も口を聞かなかった




ジョン ブリアン


車の中で 《ユリぼうず》 は頭も目もゆらしながら

つらそうな声でさけび続けていた

ぼくも心が不安だらけで、いっしょになってなき続けた

まじょは、なるべく 《ユリぼうず》 が気持ちわるくないようにそっとうんてんしたけど、早くびょういんにつきたい気持ちでいらいらしているのがぼくにはわかった


びょういんについて、ぼくもいっしょに行こうとしたら

まじょに車で待っていて、と言われた

びょういんはびょう気の動物しか入れないって


なきながらまじょにかかえられて行く 《ユリぼうず》 を

ぼくは車のまどにはりついて見ていた


まじょと 《ユリぼうず》 はすごく長い時間もどって来なくて

ぼくはどんどん心配になってうずくまってしまった


(《ユリぼうず》、元気になって・・ ぼくとあそぼうよ、 《ばつ》 がいなくなっちゃったっていうのに・・ こんなこともうイヤだ あせる


いっぱいの時間を待って、まじょがもどって来て

《ユリぼうず》 をおいてまたびょういんに行ってしまった


《ユリぼうず》 の頭と目は、あいかわらずゆれていた

ぼくは 《ユリぼうず》 のオリ(ゲージ)をのぞきこんで

いっぱいないてはげました


「元気になって!いつもの 《ユリぼうず》 にもどって!」 


でも・・

《ユリぼうず》 の目はぼくをみてくれなくて・・・

どこかちがう方向を向いて、不安いっぱいのさけび声を出すばかりで・・


ぼくはわあわあ泣き出していた



まじょがもどって来た



ぼく 「《ユリぼうず》、元気になるでしょ・・ あせる


魔女 「出来るだけの事はしてもらって来たけど、原因がわからないんだ・・」


ぼく 「元気になるでしょ・・ 汗


魔女 「元気にしてみせるさ・・ 悲しいことはもう沢山だ!」


ぼく 「ぼく、かんびょうする」


魔女 「どうやって?」


ぼく 「なめてあげる」


魔女 「そうだね・・ みんなで看病しようね」



夜、《ユリぼうず》 のゆらゆらが止まった


でも、《ユリぼうず》 はぼくらがさわってもはんのうしない


ただ、まじょがちょっとでもいないみたいだと不安そうにさけぶ

だから、まじょはずっと 《ユリぼうず》 をだいて

夜もいっしょに寝る


きのう

ぼくらはだれも口を聞かなかった



今日もぼくは 《ユリぼうず》 をなめてあげたけど

はんのうしない


まじょはいつも言っている

《ユリぼうず》はしょうがいを持って生まれて来て、じびょうも持っていて、手じゅつをしたり、体に線(カテーテル)を何回も入れたり、つらいことがいっぱいあった。 だから、楽しく長~く生きてほしい 


《ユリぼうず》、早く元気になって・・ また楽しくあそぼう


みんなが《ユリぼうず》のそばからはなれない