ジョン ブリアン
夕べ、お化けやしきのお庭であばれにあばれた《涼子》は・・
それっきり帰って来ない
朝、魔女と家族②がビワの実をとるためにお化けやしきに入って行った
ぼくはしゅざいのためにかってに同行した
お庭は・・
あらされてた
《涼子》 によって・・ あらされていた
あんな小さな女のネコがお庭をこんなにしちゃうなんて・・
どんなにあばれたかそうぞうしただけで
ぼくの体の毛はかってにバリバリ逆立った
ほんとうにお化けやしきはなくなっちゃうのかなぁ
ぼくだって、うちのみんなも、《はなくそ》 や 《ぞうきん》 や 《ぽち》たちのノラ猫軍団だって、ぜったいにイヤだよ!
《ベス》 だって、この事を知ったら泣くよ
こわい目つきして泣くな・・
今日、お昼ごろ、ぼくは 《ユリぼうず》 とけんかした
さいしょはいつものようになか良くあそんでいたんだけど
いつの間にか本気のけんかになっちゃって
ぼくらはなか悪くなっちゃって・・
そのあとぼくは自分のおへやに入ってねちゃった
《ユリぼうず》 は、ぼくのおへやから一番遠い場所で寝ちゃった
おへやのあっちがわとこっちがわで、すごくはなれて感じわるく寝た
まじょは午前の仕事をおえたら
急ぎのご用事ができて、家ぞく②とお出かけしてしまった
夕方、まじょと家ぞく②がなかわるくなって帰って来た
ぼく 「二人ともどうしたの?」
家族② 「魔女となんかやってられないよ!」
魔女 「どうでもいい事にうるさいのよ!」
家族② 「あれがどうでもいい事だって言うの!?」
インジゴ 「いったい、どうしたって言うの?」
魔女 「どうしても今日中にやらなきゃならない事ができて出掛けた訳よ。それで途中でお腹が減っちゃってラーメン屋さんに入ったの。 それでラーメン待っている間何気に外を見てたら、そのラーメン屋さんの【ノボリ】っていうか、宣伝の布でできた旗が外にあってさ、その旗が風でヒラヒラしてて、魔女から裏返しに見えたのさ。 そしたら書いてある字が面白かったから読んでみたの、そしたら家族②が怒り出した」
ぼく 「書いてあったの読んだらおこったの?」
インジゴ 「それだけで?!」
魔女 「そう、それだけで怒った!」
家族② 「何て読んだと思う?! ふつう怒るよ!」
インジゴ 「何て読んだの?」
魔女 「うんこつラーメン」
家族② 「そんな言い方じゃなかった、
最初の3文字を強く読んだ!」
魔女 「裏返しだったからそう読めたもん!」
家族② 「しかも、声大きかったし・・」
魔女 「そんな大きな声なんか出してません~」
家族② 「決して小さかなかった!!」
魔女 「どうだっていいじゃん、そんな事!」
家族② 「良くない!!」
魔女 「細かいんだよ!」
家族② 「細かいとか言う問題じゃないじゃないか!」
ジンジン 「もう、いい加減にしなよ!」
ゆりぼうず 「二人とも 《ジンジン》 に叱られてる、おっかしい~」
ぼく 「二人ともけんかして、おっかし~」
ぼくと 《ユリぼうず》 はキャハキャハわらった
それからぼくたちはかくれんぼをした
《ユリぼうず》 がぼくを見つけると、へんな目つきをしてぼくを笑わせた
ぼくが 《ユリぼうず》 を見つけると、《ユリぼうず》 はぼくにおしりを向けておだんごのしっぽをくるくるまわすから、ぼくはおかしくてたまんなかった
《ユリぼうず》 とけんかして、うんと遠いどうしでねてた時はすごくつまらなかったけど
いつの間にかなかなおりしてて・・
うれしかった