水玉
昨日 《ユリぼうず》 は日記を言うのをサボったんじゃないよ
魔女が昼間ずぅ~っと仕事で
それがやっと終わって、《ユリぼうず》 が張り切って日記を言おうとしたら・・
ジタバタと黒い服を着だして
それは知っている人がニャバーランドに行っちゃったからで
そのための夜のセレモニーに出かけて行った
トーキョー、っていう所まで行って
帰って来たのが遅い時間で
《ユリぼうず》 は言おうとした日記についてのすべてを忘れてしまっていたし
魔女は次の日の遠足のために寝てしまった
そして今日・・
ふてくされてすっかりご機嫌ななめになってしまった 《ユリぼうず》 に代わって
僕が日記を言う事にした
僕 「魔女・・ 病気になった?」
魔女 「なんで?」
僕 「ものすごく早く起きてるよ、それとも時間、間違えたの?」
魔女 「今日はアトリエの遠足なんだよ」
ジョン ブリアン 「雨が降りそうなのに、行くの?」
魔女 「行くよ!」
魔女は大雨とか、嵐とか、雷とか、大雪とかが大好きだ
でも子供たちはどうなんだ?
それはつき合わされてるのと違うのかぁ
魔女は子供たちのお母さんに 「雨だったら中止」 とか言っておきながら
実はそんな気はぜんぜんないように見えた
朝、魔女は何人かの子供たちを連れてちゃっちゃと出かけて行った
駅、っていうところにも何人かの子供たちが待ってるんだって
途中の駅から乗ってくる子もいるって
魔女が出かけてじきに雨が降ってきた
僕らは 「大丈夫かなぁ・・」 なんて話し合った
間もなく雷と物凄い大雨がやって来て・・
家族②が魔女に心配のメールをした
お返事はなかった・・
雷と雨はますます恐ろしい事になっていた
魔女たちはどうしているんだろう・・
その頃子供たちは・・
泳いでいた
大雨と雷の海で泳いでいた・・
魔女は砂だらけで帰って来た
魔女からお話しを聞いた
海に着くとすでにあまやどりの人々が2箇所しかない屋根のある場所を占領していた
そこにちょうど分厚いレインコートで装備したおまわりさんが魔女に話しかけて来た
ここで僕が思うに、おまわりさんが話しかけて来たと言うのは
実は当初、不審尋問だったと思われ・・
おまわりさん 「・・何しにきたんですか」
魔女 「遠足」
おまわりさん 「 」
魔女 「お巡りさん、お弁当食べる所を世話して!」
驚き顔から不安顔に変わったおまわりさんは・・
一生懸命に考えてくれて
こうなったら建築中の海の家に行こう、と言いだし
そこの職人さんに頼み込んで荷物を置かせてもらった
職人さんたちも
「そ、それにしても・・こんな日に遠足・・ですか」 とひどく驚いた
そんな大人同士の会話を待ちきれなかったとみえ
気が付くと子供たちは服を脱ぎ捨て
大雨の中、雷鳴轟く嵐の海で既に泳いでいた
中には 「雨が降っているのに泳ぐの?」 と聞く子もいた
「どうせ濡れるんだろう」 と言ったらすぐに納得した
その後お昼ご飯を食べたが
午後には止む、と言われた雨はまったく止まず
それどころか午後の雨確率は90%たら言う話を聞き
魔女のケータイには子供たちの親から心配のメールが次から次へと押し寄せて来ていたが・・
余りの悪天候に、電波の状態が悪く返信できませ~ん
「私は魔女だ! このまま終わらせないさ」
東の空が明るくなって雨が止んだ
ゴミの始末やら、支度の遅い子の世話やら
いっぱい親切にしてくれた海の家の職人さんにお礼を言って
場所を移動してまたまた泳ぎ、遊びまくる
さっきとは別のおまわりさんが、警備がてらみんなの荷物の番をしてくれた
もう一人のおまわりさんは風で飛んで行った傘を追いかけてもくれた
だから荷物を放っぽって安心して遊んだ
なんて逞しい子供たちなんだ・・ と感心された
だから帰る時には・・
10人くらいのおまわりさんが御用邸の垣根の向こうにずらりと並んで笑顔でお見送りをしてくれた
僕が思うに、魔女も魔女なら生徒も生徒なんじゃないか!?
最後に魔女から
大雨のせいでカメラが濡れてしまって画像が鮮明でなくてごめんよ