虹の丘 | まじょねこ日記

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魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

魔女



《伐》 がネバーランドに旅立ったその日、

ゆりちゃんが憔悴しきった魔女に問いかけた



「魔女・・ 虹の丘って知ってる?」



「知らない・・」



「虹の丘はね、亡くなった動物達が幸せに暮らすところなんだよ。そこには水も食べ物もいっぱいあって、みんなで仲良く暮らしているんだよ。そしていつか彼らの飼い主が亡くなった時は、飼われていた動物が飼い主を迎えに虹の丘から降りて来るんだって」




たまちゃんが言った



「それじゃあ、魔女が死んだらずいぶん長い行列ができるね」




何日かして、家族②が言った


「インディオの伝説では亡くなった動物達が幸せに暮らす丘があるって。 飼い主が死んだら先に死んでしまった動物達に会えるんだって」



虹の丘の話は知らないけれど

動物がなくなる度に夢をみるちよちゃん

それは、亡くなった動物が以前に亡くなった動物に連れられて坂道を登って行く夢だ



魔女はそういった夢を見た事がないので

ちよちゃんがいつも魔女に夢のお話をしてくれる



《なおなお》 が先頭だった、とか

この世では病気で1年以上動けなかった 《今日ちゃん》 が、列の一番後ろで楽しそうにぴょんぴょん跳ねながら坂道を登っていたとか

歴代の野良猫さんたちも一緒だったとか

暖かい日差しに包まれてみんな幸せそうに歩いていたとか・・





魔女は辛さや悲しみから目を背ける事が出来ない

考え方を変えて自分を慰めたり、辛さを緩和する事が出来ない

それらを余すところ無く抱え込んで当分の間、目一杯辛い思いをしないとないと気が済まない



そんな魔女の心にやさしく語られるお話



血を噴き出す生傷

やがて出血が止み

傷口は塞がり

傷跡が残る

傷跡は少しづつ薄くなる

しかし薄らいでもその傷跡は残しておきたい



それまで無くなってしまったら

魔女はあんまり淋しい



魔女のせいで軍団がお話しをしなくなっているのです

みんなが話をし出したら、ネバーランドの 《伐》 も時々やって来て仲間に入るかもね



魔女にとって長い、長い10日間でした

猫軍団と心配をかけた方たちのために以前の魔女に戻って行こうと思います