その後・・ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

魔女


《水玉は》一日中 《伐》 を求めてあちこちを捜索し

《ジンジン》 は家族を呼ぶ時の独特の声を出しながら歩き回っている

《涼子》 や 《インジゴ》 だってお化け屋敷や庭の周りの小さな範囲を 《伐》 を探して行ったり来たりして

《ジョン ブリアン》 は落ち着きなく出入りを繰り返し

逆に 《ユリぼうず》 は魔女のそばから片時も離れようとしない



火曜日に、トミニャガさんがやって来た


トミニャガさん 「魔女さん!今日は約束の日でしょうが、なんで 《ベス》 を連れに来てくださらないの!!」


魔女 「あ・・今日は火曜日でしたか、忘れてました」


トミニャガさん 「自分から決めておいて忘れるなんていい加減過ぎますよ!」


魔女 「ごめんなさい・・」


トミニャガさん 「魔女さん・・どうなさったの? いつもと違って素直ですわよ・・」


魔女 「《伐》が・・ ネバーランドに行ってしまいました」


トミニャガさん 「・・・ どういうこと?」


魔女 「亡くなってしまったんです」


トミニャガさん 「・・・ うそ・・ですよね」


魔女 「・・・」


トミニャガさん 「・・ なんで!! いつ!!」


魔女 「土曜日に・・ 車に撥ねられたようです」


トミニャガさん 「そんな・・ 魔女さん、なんで 《伐》君をしっかり家に閉じ込めておかなかったんですか!!」


魔女 「おっしゃる通りです・・」



それからトミニャガさんは大声でワーワー泣きながら連れて来た 《ベス》 をその場に置いて帰ってしまった


《ベス》 と 《涼子》 はお化け屋敷に行ったけど、《涼子》 は元気がなくて 《ベス》 はひとりで虫みっけをして遊んだ


午後になって、再びトミニャガさんがやってきた

そして、泣きじゃくりながら 《伐》 のお墓に花束を供えてくてれた


それから 「さっきはごめんなさい・・」 と言った


無理もないです

トミニャガさんはそれだけ 《伐》 の事を大好きだったということだから




まじょねこ日記-batu07527


《伐》 のお墓はきれいな花がいっぱいだ

大好きだったスーパーボールや、お手紙も置いてある

来月 《ユリぼうず》 のお誕生会(出会った日会)で食べるはずだった高級缶詰もお供えした

ボスが送ってくれた例の缶詰だ

《伐》 は早くそれを食べたくて、毎日缶詰の棚を確認していた



その日、《ベス》 を送りがてらみんなで散歩に行った

空き地で 《伐》 のお墓にお供えしようと四葉のクローバーを探していたら


近所の人に声を掛けられた


「みなさんでお散歩? いいですね、 あら、《伐》君がいない。 病気? アハハ・・まさかあの超健康な 《伐》君が、そんなはずないですね」



帰り道、また違う人に声を掛けられた


「昨日も一昨日も 《伐》君がうちの庭に来てないんです。 淋しいからまた来ておちゃめしてね、って伝えてください」



お向かいのあばあちゃんにも


「 《伐》ちゃんが、よくうちの屋根でお昼寝するから、いつもの場所に使わないクッションを置いておきましたよ」



家に帰ってから、魔女は町に出てそこらじゅうを歩き回った

途中、立ち止まって空を見上げた

雲ひとつない空だった

ずっと見ていた


「あら、魔女さんじゃありませんか、魔女さんがこんな街中にいるなんて珍しいこと。で、なんで空を見てらっしゃるの?」



「空から猫が降ってくるんじゃないかと・・」



そのひとはつぶやきながら歩き去った


「やっぱり、あの人おかしいわ・・」