涼子
金曜日に《もりやさん》が会いに来てくれてからというもの
《ユリぼうず》 は有頂天だ
その夜はお外が明るくなるまで眠ってる僕らを踏んづけて走り回ったり
ひとりでふざけたり
嫌がる 《ジョン ブリアン》 を起こして追いかけっこさせたり・・
おかげで私たちは寝不足
迷惑な話だったわ・・ まったく
そして昨日と今日を合わせると、私には数え切れない回数 (5回 )
《もりやさん》 を連れて来た
ユリぼうず 「 《もりやさん》 来ました~!」
私 「また連れて来たの・・」
伐 「 《ユリぼうず》、《もりやさん》 だっていろいろ用事があるんだぞ!」
ユリぼうず 「どんな?」
伐 「餌捕りとか、安全なねぐら探しとか、買い物とか・・」
インジゴ 「ヤモリがどこに買い物行くのよ!」
ユリぼうず 「だって、《もりやさん》 に 『うちに行こうね!』 って言うと、いつも 『うん』 って言うよ」
伐 「てかさ~、この部屋で 《もりやさん》 にうろつかれると踏んづけちゃいそうなんだよね」
ユリぼうず 「踏んづけた人は殺す・・」
水玉 「僕らが踏んづけるよりも魔女が踏んづける確率が高いよ。しかも魔女に踏んづけられたら 《もりやさん》、確実にニャバーランドに行っちゃうよ」
ユリぼうず 「魔女、殺す!」
私 「ねぇ・・ 《もりやさん》 テーブルの上で眠っちゃってるよ」
ジョン ブリアン 「つかれちゃってるんじゃないの?」
伐 「こう何度も連れてこられちゃぁな・・」
ユリぼうず 「魔女~、《もりやさん》 連れて来たから写真撮ってあげて!」
魔女 「もういいよ・・ 《もりやさん》 の写真いっぱいあるから」
ユリぼうず 「なんだよ・・ せっかく来てくれたのに」
ジンジン 「 《ユリぼうず》 が連れて来たんだろうが」
魔女 「 《もりやさん》 だって忙しいんだよ」
ユリぼうず 「買い物?」
魔女 「違うよ! 例えば嫁探しとかさぁ」
ユリぼうず 「ヨメサガシ??」
魔女 「 《ユリぼうず》 には関係ないけど、《もりやさん》 たちにとっては大切な事なんだよ」
ユリぼうず 「探しものなら僕も一緒に探したげる!」
魔女 「やめときな!! 探し物が逃げてく!」
これから何ヶ月もこんな日々が続くんだ・・
それまでほとんで外に出ず、家の中で寝てばかりですっかり太ってしまった 《ユリぼうず》
猫が変わったようにイキイキしている
迷惑だ・・