水玉
今日、晩ご飯の時の事
いつも通り僕らは缶詰で、《ユリぼうず》 はお薬の、《インジゴ》 は野菜中心のドライフードだった
僕ら缶詰軍団はチョッパヤで食べてしまう
けど、《インジゴ》 はものすごくゆっくり食べなんだ
《ユリぼうず》 は本当は缶詰が食べたいんだけど、みんなと同じ物を食べるとお腹に石が出来ちゃうから食べちゃいけなくて・・
一緒に食べると悲しくなっちゃうからって、僕らからとぉ~く離れた部屋の隅っこで一人でご飯を食べている
それは《ユリぼうず》 が自分で考えて決めた事だ
それで
僕らが食べ終わっても、ノロノロ食べの 《インジゴ》 はぜんぜん食べ終わらなくて
僕らは欲しくなっちゃうからわざとよそ見をして違う事を考えたりする
チビの 《ジョン ブリアン》 だってその事をわきまえて我慢しているというのに
でっかいくせして、その我慢が出来ないヤツがいる
《伐》 だ・・
《インジゴ》 が、「ポリ・・ポリ・ パ・リ ポ・リ・・」 と食べているのを
その目の前でジィーーーっと、しつこく見ていた《伐》が・・
どうしようもなく我慢できなくなり
ゆっくりと 《インジゴ》 の向こう隣に行き
まったく同じ並び形になって・・
魔女のようすを見ながら、徐々にお茶わんに顔を突っ込み始めたんだ
そして、食べている途中の 《インジゴ》 の小さな顔を、でっかい自分の顔でギュウ~、ギュウ~っと押して自分の顔を全部突っ込んでしまった
《伐》 の単純な考えは誰にだってお見通しだ
《インジゴ》 は自分と同じ真っ黒けの猫だから、隣同士に並んでいれば絶対に誰にも分からないと思っている
特にあのおバカな魔女の目は間違いなくごまかせるって
うん、確かに魔女の目はごまかせた
その証拠に最初 《伐》 が 《インジゴ》 の隣に同じ格好で並んでいるのを魔女は分からなかった
信じられない!
いくら同じ色だとは言え、《インジゴ》 より莫大にデカイ奴が隣に座っているというのに分からないなんて!
それで、《伐》 はすっかり安心して食べ出した
「バリバリボリボリバリボリバリボリ!!」
ところが・・
魔女 「ん?」
伐 「パリバリボロボリバリボリバリ!!」
魔女 「 《伐》 、なにやってる・・ そんなところで」
伐 「ん?」
魔女 「ん? じゃないわよ・・」
伐 「な、なんで分かっちゃった?」
魔女 「その激しい食べ音で・・」
いきなり 《伐》 が逃げた
どんなに逃げても所詮部屋の中だけなのに
性懲りもなく必死で逃げ続けて、魔女のご機嫌を逆なでしているよ・・
《伐》 はじきに捕まって、イライラをつのらせた魔女にホントだったら1回ぶたれるところを3回ぶたれた
ところが、うちではそれで終わらないんだな
台所のテーブルの下で捕まった 《伐》 は、ぶたれた後居間のテーブルの下に走って来る
お決まりのパターンだ
そして、そこには僕らが全員が待ち構えているんだ
僕らは逃げてきた 《伐》 をみんなでタコ殴りする
ボッコボッコに殴る
これが我が家の鉄則!!