伐
《水玉》 は本当に悪くて
叱られる事にも慣れっこになっており
悪いことをしても俺みたいに逃げたりしない
現行犯で見つかると
その場で・・
(ぶてば?)
と、平気な顔でぶたれるのを待っている
これは魔女をますます苛立たせた
しかし 《水玉》 はどんなに叱られても悪さをやめなかった
それどころかやることなす事がどんどんエスカレートしていった
それはもう本能的にやっているとしか思われず
さすがに俺らも 《水玉》 にはついて行けなくなっていた
相変わらずタバコをくわえて道を歩いていたし
庭の花壇も踏み歩いて、魔女を本気で怒らせていた
その上、車のボンニャットに乗っかってそこに傷をつけたりもした
何をしても 《水玉》 の悪さは止まず
魔女はヤツをすっかり持て余していた
そんな 《水玉》 がピタリと悪さをやめた
徐々にじゃないんだ
ある時からピタリとやらなくなった
俺 「なあ、《ジンジン》、《水玉》 の事なんだけどさぁ・・ あいつ、いつから悪さしなくなったんだっけ?」
ジンジン 「ん~・・ もうずいぶん経つんじゃない?」
俺 「だからどのくらい前なんだって聞いてるの!」
涼子 「そんな事、3回寝た前より前の長さが良くわかんない 《伐》 に言ったってどうせ分かんないんじゃないの?」
俺 「何だよ、その言い方!」
ユリぼうず 「 《今日ちゃん》 が病気になったから・・」
俺 「ん?・・」
ジンジン 「そういえば・・ その頃からだ・・ 突然顔つきも変わった」
確かにそうだ・・
あの勇ましかった 《今日ちゃん》 が重い病気にかかり
辛そうにして、痩せていって・・
すごく・・ かわいそうだった
《今日ちゃん》 の病気が 《水玉》 の心にどんな影響を与えたのかは分からない
けど・・あの時から 《水玉》 は今までとは全く違う 《水玉》 になったんだ