ジンジン
昨日の事だけど
魔女のケータイが壊れた
魔女は気力もなくし・・
魔女家はそんなこんなで、まったくめでたくない
もっともお風呂の件は僕らにとって好都合なんだけど
魔女家にとっては悪都合みたいだ
それで昨日魔女は、お日様がてっぺんに来た頃に
ケータイを買いに出かけた
その時の様子を一緒に行った家族②が教えてくれた
魔女 「携帯ください!」
店員 「どのような物がよろしいでしょうか?」
魔女 「安いの」
店員 「機能などのご希望は?」
魔女 「ない!安いの」
店員 「ではこちらなどはいかがでしょう?」
魔女 「もっと安いの!ネットサービスいらない、ミュージックなんかどうでもいい、ムービーだって、ましてやテレビなんて・・なんもいらない!」
店員 「それではこちらなどは・・」
魔女 「ハア~? それって年寄り用じゃん! なに? 私を敵にまわしたいの?」
店員 「い、いや・・ そんなつもりは・・」
魔女 「だったら何でそんなもの出して来る!」
店員 「すみません・・」
魔女 「安いの!安いの!型が古くてもいいから安~いの!」
店員 「ではこちらなどは・・」
魔女 「あなたさぁ、私が1万円近いお金を持ってるように見える?」
店員 「お客様、ポイントだのなんだの差し引くと¥4000ちょっとでお求めになれますが」
魔女 「あ・・ 買います! あなた良い人ね」
店員 「いや、そういう訳では・・」
それで夕方くらいにやっと帰って来たと思ったら
すぐにまた出て行っちゃった
魔女は、毎年お正月の2の日の夜は 《ねこばぁ》 の所に行く
《ねこばぁ》 のB型息子さんに、お仕事の大切なお願いをしに行くんだって
頼み事をしに行っているくせに
毎年いいものをご馳走になって、お土産まで貰って返って来る
僕らは子供の頃、車のエンジンルームに潜んでこの家にやって来た 《ノーム》 という子猫によって、みんなしてダニを移され、かゆくてかゆくて体の毛が抜け落ちるという悲惨な時期があった
それを治してくれたのが 《ねこばぁ》 なんだ
だから僕らは魔女に、『 《ねこばぁ》 んちに足を向けて寝てはいけない』 って言われているんだけど
どっちが 《ねこばぁ》 んちなんだか・・・ わかんないんだよね
家では、魔女がずっといない、という理由から
《ユリぼうず》 が怒って家族①の目の前でおしっこをして叱られていた
すごく遅い時間になって、魔女が帰って来た
鼻ざとく(目ざとく)魔女からカニの匂いを嗅ぎ取って・・
怒った 《ユリぼうず》 が、魔女の前でおしっこするふりをして逃げた
それはそうと、魔女家はいつまで祟られ続けるんだろう