自由を求めて ~ ある雄猫の物語 ~ | まじょねこ日記

まじょねこ日記

魔女の大切な仲間の猫たちの日常をみてください

魔女


ドクロ

ずっと昔の話

魔女はゴミ捨て場で1匹の物凄く大きな雄猫と出会った


その猫は家族を連れていた

子供たち5匹とその母親が彼の家族だ


それまで母親と子供たちは度々ゴミ捨て場に食を求めてやって来ていた

しかし父親を見たのはそれが初めてだった


母親と子供たちは度々人間に追い払われていた

心無い人間に中には石も投げる者もいた

魔女は石を投げた人間にひどく腹を立て、文句を言った



その日も人間はノラ猫を見つけ拳を振り上げて威嚇した


母親と子供たちは慌てて逃げ出したが

大きな雄猫は微動だにせず

落ち着き払ってその人間をじっと見据えた

その目に負けた意地悪な人間は舌打ちをし、踵を返し背を向けた



魔女はその猫に声をかけた

あまりにも毛並みがよく、堂々とした姿に興味を持ったからだ

彼が人間に懐くなどという期待は持っていなかった


しかし、彼はゆっくりとこちらにやって来た

魔女は彼を抱き上げた

案の定、素晴らしい毛並みだった

決してノラ猫ではあり得なかった

そして、精悍な風貌に反して可愛らしい声を発してみせた


魔女はその可愛らしい声にちなんで、この猫を 《なぉなぉ》 と名付けた


その頃魔女の家の前にはかなり広い叔父所有の空き地があり

そこなら意地悪な人間も、危険な車も避けて安心して暮らせる

魔女はそこで暮らすことを彼らに勧めた


《なぉなぉ》 の決心でそれは決まった


魔女一家との生活はこうして始まり

私たちにとって忘れる事の出来ない感動を残す事になる



                              次回に続く