数あるブログから見つけて下さってありがとうございます。
毎度、お香屋・筆もじ屋の『真仁堂~majindo~』店主の仁美です。
訶梨勒(かりろく)という言葉を聞いたことがない人もいらっしゃるかと思います。
(香司養成講座でもこちらはメニューに入ってないので、香司仲間でもよく知らない方もいらっしゃいます)
【訶梨勒(かりろく)って?】
新年や慶事の席に飾られる袋物のこと。
中には、お香と訶子の実が入っています。
古来、薬用の実として大切に保存されていた訶梨勒(訶子の実)が病を治す霊力を尊ばれ、現在はお守りがわりとして袋物に形を変えたものと考えられています。
外国から伝わった植物なのですが、日本での歴史が古いという意外な一面もあります。
現在、正倉院御物に鑑真和上が当時もたらしたといわれる「かりろくの実」が1つ残されているそうです。
病の原因が分からなかった昔の人々は、悪霊や魔物に取り付かれたからと信じていました。
魔物が嫌がるものを身につけたり、匂いを発したり、家に飾ったりして魔除けとしていました。
案山子(カカシ)は嗅がせ(カガセ)の転じたものと言われ、初期は畑で髪の毛を焼き、強い匂いを発して鳥獣から作物を守っていました。
現在でも神奈川県金時山の麓では女性の髪の毛を入れた袋を木の根元に置き、猪に荒らされる庭や畑を守っている所があります。
焼かなくても置くだけで嗅覚の鋭い獣に対して、匂いの効果があるのだそうです。
節分の鰯の頭を焼き戸口に挿すことも強い臭気から鬼や悪霊を祓うための風習として伝えられています。
中でも5月5日の端午の節句では香の強い菖蒲や蓬(よもぎ)を屋根に吹いたり、後に変化し菖蒲湯に入ったり柏の葉で包んだ柏餅を食する風習は広く伝承されています。
このように日本の香は悪霊や害獣から身を守る知恵に外来の仏教文化が集合し、やがて貴族、武士、町民文化として受け継がれ、日本の民俗、年中行事として現在に継承されていると考えています。
訶梨勒が魔除けの匂い袋として使用される理由はもう一つあります。
それは、涅槃図に訶梨勒が描かれているという点です。
(涅槃図とは、お釈迦様が入滅された図のこと。簡単に言うなら、亡くなって極楽浄土へ旅立った時の図ということです。)
釈迦が涅槃に入ったことを知った釈迦の母 麻耶夫人が天上から駆けつけ、袋に入れた訶梨勒の実を投げるも、沙羅双樹の木に引っかかり届かなかった様子を表した涅槃図が残っています。
釈迦の入滅の時の様子を絵にした涅槃図で現存最古のものは11世紀(1086)和歌山県金剛峰寺の仏涅槃図です。
訶梨勒の袋らしきものが描かれた涅槃図はこれより後の14、15世紀頃のものに見られます。
訶梨勒(かりろく)というものを、初めて聞いたという方もいらっしゃることかと思います。
ですが、実際には中国やインドでは3000年も前から、日本でも室町時代から訶梨勒は魔除けや厄除けの匂い袋として使われていました。
現代でも訶梨勒の匂い袋は購入することができます。
魔除けや厄除けの意味を込めて、飾ってみるのも良いかもしれません。
お釈迦様のありがたいご利益を賜ることができかもしれませんね
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㏋出来ました~
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今後ともご贔屓に
愛知県岡崎市より発信中
まじんどう店主ってこんな人