切り絵を作る人です
好きになってしまったのだから、仕方がない。そう思っています。。。・・・・仕事で立っていることが多く、足首より上の丈の短い靴下（普通の長さと言うのが正解だろうか？）を履くと、そこで血流が止まるのか、足が凄くむくんでゴムが食い込んで痒くなってしまうのが悩みだった。今までこんなことなかったんだけど、また少し、体が変わってきているんだろうと感じている。私はもう何年も、五本指ソックス愛好者。でも、いま履いているものがどうもあわないので、新しくしようと思っていた。我慢して履くのは自分の体が可哀想だからだ。たまたま母の家に用事で行った時、靴下が汚れてしまったから裸足でスニーカーを履き、駅の近くの無印良品で靴下を買って帰ることにした。かなり悩んで、これを買ってみることにしたのである。この靴下だと、ゴムが食い込むことなく快適。足のむくみも感じなくなった。オススメpickしたかったけど、項目見つけられなかったけど、無印良品に行ったら買ってみてほしい。３足で990円も、日常使いに嬉しいポイント母が、靴下のゴムがかぶれて痒くなるってよく言ってた。かぶれて痒くなるわけではなかったけど、母の気持ちが少しだけ理解できたような気がした。今度行ったら、これ良かったよって教えてあげようと思う。
スーパーの駐輪場に自転車を停め、買い物をする。買い物を終え、自転車の前かごに荷物を入れて、鍵を開けようとしたが、鍵が鍵穴に全く入らないという事件が勃発。そういえばここ最近、抜き差ししづらくなってきてるなぁとは感じていたけど、まさかのタイミング。なんで入らんの？さっきまでいけてたやん！！自転車の鍵穴に文句を言ってもらちがあかないので、諦めて自転車を家まで担いで帰ることにした。天災は忘れた頃にやってくる、という言葉があるが、筋肉痛こそ忘れた頃にやってくるお年頃。左手でハンドルを持ち、右手で後ろの荷台？を持ち上げて浮かせる。ちょっと進んでは休憩し、右腕をブンブンふる。そしてまた少し進んでは立ち止まる。反省をする猿のように、しばしうつむいてみたりもする。ドラマの世界だったらこんな時、イケメンが通りすがって「どうしたんですか？」とかなんとか声をかけて来て手を貸してくれて、そこから恋が始まったりするだろうが、現実の世界は、後ろから来る人達に無言で追い抜かされるだけ。前から来た人も通り過ぎてゆく。みな、自分の24時間を生きていた。家までの道のりが果てしなく遠く、頭の中にこの歌が流れ始めた。森山直太朗 - 若者たち / にっぽん百歌【大井競馬場】誰もいない大井競馬場にて。ここからどれだけの名場面が生まれただろう？無事之名馬。宿命の背に走り続ける競争馬の姿を思い浮かべながら、噛み締めるように「若者たち」を歌った。直＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊君のゆく道は 果てしなく遠いだのになぜ 歯をくいしばり君は行くのか そんなにしてまで君のあの...youtu.beキミのゆく道は果てしなく遠いなのに何故歯を食いしばりキミはゆくのかそんなにしてまで♪一刻も早く家に帰りたいからですが、何か？ゴールデンウィークの間に、家から職場まで歩いたら何分かかるんだろ？ってふと思い、家の食卓からストップウォッチをかけて、玄関を出て鍵をしめてエレベーターを待って、と時間を計っといたことが、役に立つ日が来たと思った。明日しんどいなぁ歩くのめんどいなぁ雨だったらやだなぁ寒いのかなぁ暑いのかなぁいけるかなぁ～いけるのか？私よそんなことを考えだし、それからあそこに自転車屋さん何時まであいてたっけ？と検索してみるも、とっくの昔に終わっていた。わかりきっていたが、淡い期待を抱いた自分がバカだった。夜道でスマホに向かってささやくOKグーグル!自転車の鍵があかないグーグル先生は「５５６を噴射せよ」と答えてきた。急に世界がパアァッと明るくなり、足取りが少し軽くなった。家に着いて、マンションの玄関先までエレベーターに乗せて自転車を持ってあがる。５５６はたしかあそこに入れっぱなし。探してみたら出てきた。玄関の前の廊下に腰を下ろし、自転車の鍵穴とにらめっこしながら５５６を噴射。滑りが悪かったスライド部分にも。一発でなおった明日も無事に、自転車に乗れることに感謝だ。
今日は、母の日。近所のアチコチの花屋さんが、真っ赤に染まっていた。ふだんそんなに花屋さんにひとだかりができているのを見たことはない気がするが、今日ばかりは、カーネーションを買い求める家族で賑わっていた。我が家には、母の日という習慣がないので静かなものだ。感謝してほしいわけでもないし、息子達それぞれが元気でいてくれれば、それが一番だと思っている。そして自分自身はといえば、母に改めて感謝の気持ちを伝えるなんてことは、なんとも照れくさくてできないでいる。今までは母がメールを使えていたので、文字で照れ隠しをしながら送っていたのだが、今はそれも難しくなってしまった母だ。たまたまなのだが、今日は母と電話で話す用事ができたので、照れくさい気持ちを破って、言葉で伝えようと感じた。お母さん、私をこの世に生んでくれてありがとう。いつまでも元気でいててや。ありがとう。でもそれは、反対のことも言えますな。生まれてきてくれて、ありがとう。 無理しないで、元気でいててよ。そんな落語家みたいな喋り方で返され、なんかもう二人で大笑いしてしまった。わざわざ言わなくても良かったのかもしれないけど、想いを言葉にして伝えることができた自分にマルをつけようと感じた。母に元気でいてもらうためには、自分が母以上に元気でいないといけないんだな。ついつい自分のことは放置しがち。いかんいかん。大好きならば、大好きだよ！！って、素直に言えるようになった今の自分を、大好きな人に大嫌いって逆様なことを伝えていた遠い昔の小さい自分は、どんな風に心の中で聴いているんだろう。きっとビックリしてるだろうな。ちょこっとだけど、ここは変われた部分かなって自分で感じる。上出来だぜ私よ。
SUPER EIGHTの中では、安田くんが好き。※画像はこちらからお借りしました。関ジャニ∞安田章大 髪の毛を伸ばしていた理由は?「僕自身久しぶりの時代物です」 舞台「あのよこのよ」主演 | 推しが見つかる!ダンス&ボーカルグループ専門情報サイト|トピクルダンス＆ボーカルグループが夢を追いかける姿を追う「TOPICOOL～トピクル」。 次代のスター候補から、スターまでの最新ニュースやイベント情報などコンテンツ盛りだくさん。topicool.jpガレットはおフランスのお好み焼きですわ、のくだりウケる。ほんまや、言われてみれば粉もん！！って思ったKAMIGATA BOYZ - 無責任でええじゃないかLOVE [Official Music Video]“KAMIGATA BOYZ”爆誕!!!SUPER EIGHT × WEST. × なにわ男子！3組による夢のコラボレーション楽曲！配信はコチラ＞＞＞https://lnk.to/kamigataYT「なんぼのもんじゃい！」と日々を笑い飛ばす最強無敵の関西人！ご堪能あれ！！▼『無責任でええじゃないかLOVE』商品...youtu.beアイドルの元気玉いいな(^^)
小さな小さな成功体験。失敗しなけりゃ成功できないのに、失敗を怖がって前に進めない。そんな成功体験が少ない私にとって、大きな喜びとなったことを少し書いてみようと思う。子どもの頃の成功体験といえば、自転車。乗れるようになったのは小６の時。しょっちゅう何もないところでこけたり、穴ぼこに落ちたりしていた私は、常に赤チンで日の丸のような膝で過ごしていた。自転車で転ぶ頃には転ぶ時の受け身が自然とできていたのか、さほど大きな怪我なく練習に没頭していた。少し乗れるようになり、あとは地面から足を離してバランスをとれるようになるだけだなぁという段階で、近くの公園で練習していた。学校に行く前の、朝６時ぐらいだ。どんだけ自転車好きなんだろうか。ふと、白い中型ぐらいの野犬と目があった瞬間、何故か吠えながら追いかけてきた。当時まだ犬恐怖症だった私は、おかあさん！！と叫びながら自宅まで必死に逃げた。母が門扉を開けて待ってくれていて逃げ切れた。そのおかげで自転車に乗ることができたので、成功体験とはいいがたい気がする（昭和な子ども時代は野犬が多かった）そんな私の小さな小さな成功体験は蝶々結びだ。遅かったのか早かったのかわからないけど、小３の終わり頃の記憶。あの頃、クラスメイトが続々と紐靴を履き始めた。足だけ入れたらスッとはける子ども運動靴から、流行の波に乗りたくなったのだ。母にお願いしたところ「蝶々結びが一人でできるよになったらね」という返事。その日から蝶々結びとの闘いが始まった。やっとできるようになったものの、どうしても蝶々が縦になる。クルッと回して無理矢理横にしても、縦に戻ってくる。なんで？！何度やってもダメだったが、とにかく結べるようにはなった。自信満々で母にやってみせ、めでたく紐靴をゲットした。ベージュで白い紐のハイカットスニーカー。コンバースのように、側面に丸く囲まれたマークのところに、当時まだ横座りだったキティーちゃんの絵がついていた。うれしくて、家に帰ってから「もう、わかったから片付けなさい」と言われるまで何回もドヤ顔で蝶々結びを母に見せつけた。小さな小さな、本当に小さな成功体験。大人になっても私の蝶々結びは縦のままで、今度はどうしたら横向きになるのか？という闘いが始まったのが、社会人になった時だった。職場の人から指摘され、蝶々結びの向きがおかしいって恥ずかしいことだったんだと、そこで初めて気づいた。闘いが終わりを迎えたのは、蝶々結びを教える立場になった時だった。「私はどうしても縦になってしまうんだけど、蝶々結びはこうやったらできるんだよ」やり方を息子達に教えることで、一緒に悩み、ようやく私の蝶々は横を向く日がやってきたのである。しかし今度は裏返し？？？という壁が待っていた。結び目がおかしい、可愛くない。でも、もうどうでもよくなった。結べたら、もういいじゃないか。靴が脱げないように調節できれば、それが蝶々の役目であり仕事なのだ。見栄えなんかどうでもいい。縦であろうが裏向きだろうが、それでもしっかり役割を果たしているのであればオールOKということを、自分の中で決めた。そしたらもうこれでいいって思えた。そして現在。息子達の蝶々結びは、いろんな方向を向いている。それでもみんな、今日も元気に生きている。蝶々結びが、はじめてできるよになった日のこと、あなたは覚えているだろうか。
この気持ち、わかる人にわかるのではないだろうか。あれから３年。以前より数は減ったものの、落穂拾い状態は続いている。部屋の靴下の脱ぎ散らかしっぷりは、あんたらムカデの化身か？って思う反面、今日は何個拾えるかな？って面白がり出しているからタチが悪い。ムカデといったら、こんな絵本がある。知ってる人は多いだろう。【中古】 むかでのいしゃむかえ 幼児絵本シリーズ／飯野和好(著者)楽天市場${EVENT_LABEL_01_TEXT}具合が悪くなった仲間のために医者を呼びに行くことに誰が行く？？？ここは、足がたくさんあって速そうなムカデに頼もう！！頼まれたムカデはダッシュで出かけるために土間でわらじ（昔の靴）を履きはじめるが足が百個あるので履くだけで時間がかかってしまい全然スタートできないうそやろ〜全然あかんやん飯野和好さん、こんな自叙伝も出ている。人生はチャンバラ劇 [ 飯野和好 ]楽天市場${EVENT_LABEL_01_TEXT}テレビのチャンネル権は祖母が握っていた幼少期。はじめは渋々見ていた時代劇も、慣れてくると続きが気になり面白く感じた。時代劇は一連の流れがあり、毎回同じパターンで問題が解決していくが、遠山桜が出るまでとか、印籠が出るまでとかの、待ってました！！のワクワク感を、祖母と楽しんでいた気がする。そんな幼少期を過ごした私の心にヒットした、飯野和好さんのチャンバラ絵本。今はもう、枝でチャンバラする子どもを見つける方が難しい。公園は綺麗に整備され、枝さえ落ちてなかったりする。安全だけど、ちょっと淋しい。今日も話が、とびとびだぁ〜これもまた個性？
今日は5月5日こどもの日。前の日に菖蒲を買って、夜露にあててから当日の夜、湯船に入れる。賢くなるように、健康で過ごせるように、いろんな願いを込めながら、菖蒲を頭に巻く。そんなことを母から教わり、息子達が小さいうちは真似してやっていた。庭がないぶん夜露にあてるってどういうこと？って悩んだ末、ベランダの外側に逆様に一晩吊るしている私を見て、夜露って外気に触れさせておくって意味だから外に置いておくだけでいいんだよって。夜露が雨だと思い込んでいた私。そんなおバカなことも5月5日の思い出の一つだ。三年前の今日のブログが、あがってきていたので読み返してみた。柱の傷の思い出話を書いてたんだなぁ。父はもういないので、今日はこのブログにも出てきた母のことを書いてみる。引っ越すたび、柱だけ抜いて持って行きたいと嘆いていた母。ゴールデンウィークの期間、転勤で東京方面にいる妹家族が母のところに遊びに来てくれていた。孫に会うのも久しぶりで、母も喜んでいた様子。うちは男二人、妹は女二人。年と共に少しずつ、記憶も薄れ表情も乏しくなってきている母。たまにしか会わない妹は、そんな姿がとても淋しくて辛いと感じるようだった。甘いものが好きだった母は、いやしんぼが大好きで、食べ過ぎだと注意すると、子どもみたいに笑ってとぼけた顔をして、いいじゃないの～♡って言いながら食べていた。そんな表情もなくなってしまい、それも妹は好きだったから淋しいという。姪っ子も、気がつけば下の子が六年生。いつの間にか大きくなって、もう大人になってしまったわねぇ…と、ちょっと寂しげな母だったが、元来子ども好きな人。一緒に過ごした時間は本当に楽しかったんだろうと思う。ありがとうを伝えようと今朝、妹に電話したつもりが私が出てきてビックリしているという電話がかかってきた。いや、こっちがビックリだ。スマホが怖くて使えない母。操作が簡単なガラケーに変えたが、それでもうまく使えない。クイックボタン①②③を押せば、登録してあるところにかかるよう妹が設定してくれているが、よいしょよいしょとグーッとゆっくりボタンを押すせいか隣のボタンが作動し、今回のようなことが多々ある。そして時々、電話が繋がらないなぁという時は、用事で行ってみると飛行機に乗ってしまっていたりする（機内モードね）妹に電話し、お母さんまた飛行機に乗っちゃってたわ～って爆笑する。そんな81歳。私が生きている小さな世界をぐるっと見渡してみれば、病院に一人で行って症状を自分の言葉で伝えられる81歳もいれば、お買い物のポイントをスマホで貯めている81歳、LINEで友達と連絡をとっている81歳もいる。なんだったら80や90でアプリを作っちゃう人だって世の中にはいる。ひとりひとり、81歳を迎えるまでの生き方とか経験とかが違うから仕方がない。できない部分を誰かと比べて落ち込んでみたって仕方がない。だって個性なんだから。母は母で、お茶目で面白くていいじゃないかって感じている。人生100年時代とはいうものの、それはあくまで健康だったらの話。母と過ごせる時間は、あと何年残っているのかわからない。自分の体が一番しんどいのに、いつも私のことばかり心配している母。でもたぶん、母親という生き物って、そういうもんなんだろうね。私は違うけど（笑）東京ガス CM 家族の絆 「母からのエール」篇東京ガス CM 家族の絆 「母からのエール」篇 ニビシ醤油 CM こころに、ごちそうを。母の手紙篇 ☆感動・泣ける・ .東京ガス CM 家族の絆 おばあちゃんの料理篇 ☆感動・泣ける・ .東京ガスCMが打ち切り中止！(動画）批判の理由は「母からのエール」篇での女優・岸井ゆきの演じる就活に苦しむ子と母親を描いた内容...youtu.be
他県に住む母のところへ行く機会が増えて、とっても小さなことだけど、できるようになったことがある。自分の中では、すごく嬉しいことだけど、ひとからすれば、どーでもいいこと。それは、動く電車の中でドリンクが飲めるようになったこと。今まで溺れそうになったり、こぼしたり、鼻に入ってしまったり、うまく飲めなかったから、停車駅ごとに飲んでいたのだ。車で長距離乗せてもらうことがあった時なんかも、信号まだかなぁ〜と待っていた。ちょっとした進化。でもまだ、歩きながら飲むのはできない。歩きながら食べるのもこぼすから、すみっこで止まって食べる。食べ歩きには向かない人間だなと感じている。今日、たまたま買った珈琲の後ろに猫がいた。ちょっと嬉しい。
朝通った時は、まだツボミだったツツジが、夕方通ったらアチコチ開花してた。おひさまの光は、人間があびても、あったかくて心がほころぶ。草花も同じで、キュッととじていたツボミが「はぁ〜なんだかあったかいなぁ〜」ってゆるんで、開くのかもしれないなぁって感じた。私は花じゃないから花の気持ちはわからないけど、そうだったとしたら面白い。草花にも気持ちがあったりしてね。スギの花粉もヒノキに変わり、黄砂も少し落ちついたのか、私の鼻もようやく穏やかになってきた。季節の変わり目、急な気温差、そして黄砂に弱いんだなぁと改めて感じた今年の春先だった。薄桃色の桜が葉桜に変わると、今度は濃いピンクのふっくらした桜が咲きはじめた。その合間にハクモクレンなのかコブシなのか、わからないけどいい香りの白い花が咲いていたり。曲がり角にあるお宅の玄関先に、色とりどりのチューリップが、これまた日の光をあびて、開きすぎちゃう？って思うぐらいオープンな感じで楽しそうに咲いている。そのまわりをモンキチョウがヒラヒラ。蝶々や蜂、いろんな虫達が花の花粉を身にまとい、また来年の春に向かう花の準備を手伝う。人間の世界でも、持ちつ持たれつとか、循環とか聞くけど、自然の世界でも同じ。言葉を発することは互いになくても、世界はどんどんまわってゆく。そういえば、ポケモンでマダツボミっていたなぁ。進化すると、ウツドンになって、ウツボットになるこのポケモン達、晴れたら素早さが2倍になるらしい。なんと可愛いことよどうでもいい話を、またツラツラと書いてしまった。おしまい
仕事に行く時、空に大きな鳳凰みたいな雲が見えた。見えたからといって、別に何があるわけでもないが、雲の形を眺める心の余裕が少しできた自分が好きだ。その雲の向こうに、今まで長年住んでいたのに気づかなかった風景がまた見つかった。一本の長い煙突。黒くススで汚れた銭湯の煙突。えんとつ町のプペルの一ページの絵が、ふと頭に浮かぶ。子どもの頃そういえば、銭湯の煙突とか電柱とか塀の上とか、登ってみたいと見上げていたっけ。なんとかと煙は高いところが好きって、よくおばあちゃんに言われたけど、本当に高いところが好きな女の子だった。今日は半日で仕事が終わる日だった。息子がお弁当のいらない日だと聞いてたのに、ホワイトボードにもメモしておいたのに、すっかり忘れて作ってしまったから、それをあたためなおして食べて、ひと眠りしてから自転車にまたがり、あの煙突を近くで見てみたいと感じ走った。煙突がある場所に行くまでに、大きな桜の木に出会った。その桜の木は、いつも仕事に出る時に玄関の前にある川の向こう岸に見えていた桜だった。こんなに大きな木だったんだ。遠くから見ていただけでは、小さな桜の塊でしかなかったが、側に来て実際に見ると、とても古い立派な木だった。こんなに太くて大きな桜の幹は、たぶん今まで見たことがないだろう。その桜の木は、小さな公園の一角にあり、その下では楽しそうに遊ぶ小さな子ども達と、それを見守りながら一緒に笑っているお父さんやお母さん、おじいちゃんやおばあちゃんの笑顔だった。桜の木だけでなく、花が咲くところには、必ずとっていいほど人の笑顔が咲いている。植物の命の力が、人を笑顔にする。自然の美しさというのは、本当に頭があがらないほど凄いものだと感じている。これは子どもの頃から変わらない感覚だ。自然が生み出す色、におい、風、全てが人間を笑顔にしてホッとした気持ちにしてくれる。ありがたいことだ。煙突のある場所になかなかたどり着けず、ぐるぐる回る。この曲がり角を曲がればある？あんなに大きかった煙突が、一瞬にして姿をくらます。どこいった？？？？上を向いて自転車をゆっくりこぐ中年って、不審者以外の何者でもないじゃないか。でも探し物は空に近いところにあるのだから仕方がない。しばらく走っているうちに、やっと煙突の根本？に辿り着くことができたのは、緑色のピエロみたいな首輪をした黒猫が連れて行ってくれたからだった。どっちに曲がろうかとキョロキョロしていると、黒猫がサッとよぎるのが視界に入って、そちらに引き込まれるように進んでいった先に煙突の根本があったのである。煙突の根本の銭湯は、もうすっかりさびれて廃業していた。物凄く淋しい気持ちでいっぱいになった。この銭湯に来るのを楽しみにしていた人達の笑い声とかが、一瞬ふと聞こえたような気がした。どんな人達がここに足蹴く通ったんだろうか。この大きなえんとつは、いつからここにいて、この町の歴史を見つめてきたんだろうか。お疲れ様でした、もっと早くキミが元気に働いている時に会いにこれたら良かったな。そんな気持ちになった。毎日毎日、自分のふがいなさとか、できないこととかばっかり数えて、気持ちが下を向いてばかりなことが多かった。今でもそんな日はなくならないけど、道端の雑草の小さな綺麗な花を見つけるのもいいけど、こうして空を見上げて面白いものを探しに行くのもいいなって感じた。ないものばっかり数えていたら、いますでに本当はあることに気がつかないまま生きてしまって後悔するかもしれない。目の前に、見えていることだけが現実なわけじゃない。たまにはこうして、いろんなことに心を動かされてみることをどこか忘れていたというか、封じていたような気がしている。おしまい
