スーパーの駐輪場に自転車を停め、買い物をする。

 

買い物を終え、自転車の前かごに荷物を入れて、鍵を開けようとしたが、鍵が鍵穴に全く入らないという事件が勃発。そういえばここ最近、抜き差ししづらくなってきてるなぁとは感じていたけど、まさかのタイミング。

 

なんで入らんの?さっきまでいけてたやん!!自転車の鍵穴に文句を言ってもらちがあかないので、諦めて自転車を家まで担いで帰ることにした。天災は忘れた頃にやってくる、という言葉があるが、筋肉痛こそ忘れた頃にやってくるお年頃。左手でハンドルを持ち、右手で後ろの荷台?を持ち上げて浮かせる。ちょっと進んでは休憩し、右腕をブンブンふる。そしてまた少し進んでは立ち止まる。反省をする猿のように、しばしうつむいてみたりもする。

 

ドラマの世界だったらこんな時、イケメンが通りすがって「どうしたんですか?」とかなんとか声をかけて来て手を貸してくれて、そこから恋が始まったりするだろうが、現実の世界は、後ろから来る人達に無言で追い抜かされるだけ。前から来た人も通り過ぎてゆく。みな、自分の24時間を生きていた。

 

家までの道のりが果てしなく遠く、頭の中にこの歌が流れ始めた。

キミのゆく道は果てしなく遠い

なのに何故歯を食いしばり

キミはゆくのかそんなにしてまで♪

 

一刻も早く家に帰りたいからですが、何か?チーン

 

ゴールデンウィークの間に、家から職場まで歩いたら何分かかるんだろ?ってふと思い、家の食卓からストップウォッチをかけて、玄関を出て鍵をしめてエレベーターを待って、と時間を計っといたことが、役に立つ日が来たと思った。

 

明日しんどいなぁ

歩くのめんどいなぁ

雨だったらやだなぁ

寒いのかなぁ暑いのかなぁ

いけるかなぁ~いけるのか?私よ

 

そんなことを考えだし、それから

 

あそこに自転車屋さん何時まであいてたっけ?と検索してみるも、とっくの昔に終わっていた。わかりきっていたが、淡い期待を抱いた自分がバカだった。

 

夜道でスマホに向かってささやく

 

OKグーグル!

自転車の鍵があかない

 

グーグル先生は「556を噴射せよ」と答えてきた。急に世界がパアァッと明るくなり、足取りが少し軽くなった。

 

家に着いて、マンションの玄関先までエレベーターに乗せて自転車を持ってあがる。556はたしかあそこに入れっぱなし。探してみたら出てきた。玄関の前の廊下に腰を下ろし、自転車の鍵穴とにらめっこしながら556を噴射。滑りが悪かったスライド部分にも。

 

一発でなおった

 

明日も無事に、自転車に乗れることに感謝だ。