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世田谷・田園調布
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先日のブログ
違うカーブを縫い合わせるとき
でコメントをいただきました。
ちょっと深い話なので取り上げさせていただきますね。
縫い代についてのお話です。
普段、縫い代のない実寸のパターンを用いているが、
縫い代付きのパターンの場合、仮縫いで補正するときとか
どのように処理するのですか？
簡単にいうとこのような質問です。
ご質問のTOKUちゃんさん、私もブログを愛読させていただいている
非常に素晴らしいお仕立てをするテーラーであり、ドレスメーカーさんです。
お仕事が丁寧で、見事。
で、縫い代なしの型紙を使っていらっしゃいます。
そう、TOKUちゃんさんのような丁寧なお仕立ては
縫い代なしパターンでこそ発揮できるレベルなのだと思います。
告白しますと、、、。
私も、お仕立てでは縫い代なしの実寸型紙を使っています。
まず、縫い代を多めに取っておけば
仮縫いでのサイズ変更や型紙の補正がかなりの範囲で可能。
生地の風合いや性質、デザインによって仕様を変える場合も対応できる。
つまり、臨機応変。自由自在。
生地や着用者の状況によって選択の範囲が広がり
意のままに動かせるからです。
生地は切ってしまえば、元に戻らないので、
可変的な要素があるときはできるだけリスクを減らすために
生地は多めに取っておきたい。
実寸型紙には、そういった補正などの可変的な要素を吸収してくれる
という素晴らしさがあります。
ただ、それを実行するには、ホームソーイングの中級レベルのかたには
かなり高度に感じられると思います。
まず、補正できる技術が必要ですし
縫い代幅が多ければ縫いにくいこともあるので、縫いの技術も必要ですよね。
地の目のことや生地についての知識と経験も必要になります。
一方で、最近は縫い代付きのパターンが主流です。
この縫い代付きのパターンが出始めたのは、20年くらい前からでしょうか？？
工業用パターンを洋裁に取り込んできているんですね。
縫製工場で使う工業用パターンは、
誰が縫っても同じサイズに。同じクオリティで。
正確さを求められます。
そして、早く！
そのためのパターンです。
工業用パターンは、サンプルを何度も試作し、
最終形になってから縫い代をつけます。
ですから、そもそも補正は必要ないという考え方に基づいています。
この縫い代付きパターンが一般に出回るようになってから
おうち洋裁でも速さや正確さが求められるようになってきました。
ここ20年ほど、なぜかみなさん「早く縫いたい」と言うようになりました。
というか、それが素晴らしいという風潮になっているのだと思います。
ここでも「便利」が求められるようになっているということなのかもしれませんね。
簡単に言うとこうなります。
縫い代なしパターン ⇒ 臨機応変。自由自在。
ある程度の技術が必要で制作に時間がかかる。
縫い代ありパターン ⇒ 正確さや速さを追求している。
補正や、仕様の変更が利きにくい。
どちらにもメリット、デメリットがありますよね。
クチュリエール養成講座では
トワルまでのパターンは縫い代なしで。
トワル後の補正が終わった段階で縫い代付けをして、裁断。
という方法をとっています。
できれば、最終的には、
縫い代なしのパターンで正確にしかも美しく縫う。
ができたら素晴らしいと思います。
仕上がった時の生地のふっくら感は
製作途中に生地と対話してこそ。だと思うからです。
縫い代付きのパターンに頼っていては、
生地を知り、生地を攻略していくのは難しいのです。
丁寧に作ることを学び始めると
美しい服つくりの意図が見えてきます。
ふっくらと美しく仕上がる。＝上品仕上げ。
とても、大切です。
既製服は素敵です。
正確です。きれいだと思います。
なにを求めているのか。。。によって
いろいろ見えてくるものが違うんですね。
そこが、差になっているのかな。。。と思っています。
本日もお読みくださり
ありがとうございました
★3月のOne Day Lesson、クチュリエール養成講座
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