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お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

「仕事でお掃除をする方の作業を楽にする事」が使命(ミッション)だと考えています。

 一般の『お掃除』から世界のプロが実践する『メンテナンス』の紹介をしています。

科学的清掃メンテナンスの重要性を主なテーマにして書いているこのブログですが、実際に行うに当たっては、洗剤を使いこなす事が必須になりますので、「プロとしての洗剤の使い方」について書いていく事にしましょう。
先ず、必要性の前段ですが、今のメンテナンス業界の現状から考察します。今のメンテナンス業界の最も主要な問題点は「人手不足」になる事は言を俟ちません。日常清掃の担い手の不足から、多くの現場で大変苦労されており、また折角の請負業務も返還を余儀なくされると言うケースも続出しています。インバウンドの国内での消費が2024年は8.1兆円であり、これは自動車輸出に次ぐ数字で更に伸びていると言われています。しかし、人手不足による機会損失はその倍の16兆円と言われており、非常に大きな問題点になっています。1月17日の日経の朝刊にも、大手・中堅の建設会社の約7割が2026年度内は大型工事の新規受注を出来ないとしているという記事が出ています。
人手不足の解消には外国人雇用も一つの解決方法ですが、基本的問題解決方法には生産性の向上が不可欠です。作業方法を科学的手法でとらえる事で生産性を上げる「メンテナンス」が世界の先進国では行われていますが、その流れが残念ながら我が日本では殆ど実践されておらず、その為に多くの会社や作業者が苦労を重ねる事態になっています。
メンテナンスについてはこのブログでも何度も触れていますが、メンテナンスの実践には
物理的力(ゴシゴシ擦る手法)+化学的力(洗剤の力で落とす)

のバランスが重要です。即ち、洗剤を上手く使わない事には、生産性の上がる科学的管理手法「メンテナンス」の実践は不可能なのです。
世界的に言えば、プロにとって洗剤の必要性は説明の必要もない程当たり前の事なのですが、日本では水が綺麗で豊富な事、獣を食する習慣が無いことから、油による汚染が少なかった事等で「水神話」があり、水による清掃が是認されるケースがかなり多いのです。
日本女子大の中西茂子さんの「洗剤と洗浄の科学」にはヨーロッパの先進国と日本の化粧石鹸・シャンプー・洗浄剤の一人当たり使用量の比較が出ていますが、日本人は風呂好きで世界的にも身綺麗に保つ習慣から自分に使う化粧石鹸はヨーロッパ先進国平均の1.6倍、シャンプーは同等なのに対し、自分以外に使う洗浄剤は2.5分の1と言うデータが出ています。


 私達が子供に対して、食事前に、手を洗う事を習慣づける際に「石鹸で洗いなさい!」と口を酸っぱくしつけるのに、どうして自分達の管理する建物に洗剤を使わないのでしょう。自分達の手は石鹸を使わなければ、綺麗にならないのを知っているのに・・・
プロとして、清掃をする際に、先ず洗剤使用は不可欠なのだと腹に叩き込む必要があります。それが無ければ、到底生産性は上がらないでしょう。しかし、それを周りに広める必要がある訳で、その為には先ず、洗剤の有効性を実感する必要があります。「プロの洗剤はこんなに奇麗に仕上がるのだ!」と言う実感がベースにあって初めて洗剤使用の大切さが理解できるでしょう。
メンテナンスには日常清掃と定期清掃がありますが、定期清掃の方は酷い汚れを対象にしますので、強い洗剤を使用する事から、洗剤使用には慣れていますが、問題は日常清掃です。毎日清掃に入りますので、主な対象が酷い汚れではないので、水拭きでも概ね除去出来てしまうのです。その為、洗剤使用の必要性を余り感じずに済んでしまうのです。しかし、汚れには「見える汚れ」と「隠れ汚れ(目に見えない汚れ)」があり、生産性や作業効率・作業効果に大きく影響を与える隠れ汚れは水での除去が不可能なのです。これについては稿を改めて説明しましょう。
一般に私達の身の回りの汚れの80%は水溶性と言われています。水で落ちます。しかし、20%は疎水性ですので、これは水では除去できません。毎日の清掃の繰り返しですので、いつも20%残すのと、完全除去では、時が経つほど差が大きく出る事になります。洗剤と言うとリンス拭き(水拭きで洗剤分を除去する事)が必要と思われがちですが、日常的に使用する洗剤は殆どがノンリンスタイプですので、その必要はなく、手間は水拭きと変わらないのです。


プロ用の洗剤の効果を実感するには、ノンリンスで見た目の差が大きく出る洗剤を先ず最初に試すべきです。この選択が大切です。RTU(希釈不要でそのまま使うタイプ)が良いでしょう。大分長くなりましたので、説明の続きは次回にしましょう。