現場視察から「トイレ悪臭の除去」 | お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

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「仕事でお掃除をする方の作業を楽にする事」が使命(ミッション)だと考えています。

 一般の『お掃除』から世界のプロが実践する『メンテナンス』の紹介をしています。

トイレメンテナンスで重要な事の一つに悪臭の除去があります。トイレルームの良好な状態は「衛生的で、美観が良く、無臭である事」ですので。
弊社が「バイオボウル」と「NABC(ナバック)」を中心にトイレメンテナンスを日本市場に提供し始めた15年以上前、東京でも公共のトイレの多くは悪臭の問題を抱えていました。そこで、弊社も「悪臭除去」を問題解決の中心にして、市場に広めていったのです。しかし、最近様々な場所に呼ばれて現場視察をさせて頂くと、未だに多くのトイレで悪臭の除去を大きなテーマにしている事に驚かされます。そして、その為の解決方法が適正ではない事から作業が大袈裟になったり、無駄な作業がされているケースを残念に思います。悪臭の除去は科学的に行うべきです。そうする事で、容易に解決が可能になるのです。
何度かこのブログにも書いていますが、従前の解決方法は

  1. 臭いの基を除去
  2. マスキング(強い臭いで悪臭を感じさせなくさせる事=芳香剤や香水など)
  3. 吸着(活性炭やベーキングソーダなどを使用し、臭いの分子を吸着させる方法)
  4. ニュートライゼーション(中和化=臭いの分子を酸化・還元する事で性質を変化させる事)

でした。
1を除き、2~4は対処療法です。常時悪臭を発生させる場所には無理があります。根源的な方法としては
A.    除菌クリーニング
B.    バイオクリーニング
が必要です。
除菌クリーニングは衛生性があり、即効性があります。しかし、効果が持続しない事、しみ込んだタイプの悪臭には効果がそれほど高くない事、無理に行おうとすると、環境負荷がかかる事があります。
バイオクリーニングは良いバイオが悪臭の原因菌を追い出す事で臭いを除去します。持続性がありますが、定期的に実践する必要があり、効果の出るのに時間が掛かります。
悪臭の除去をするには、先ず、どこから悪臭が発生しているかをしっかりと特定すべきです。トイレルームの悪臭発生個所は

1. 小便器内

2. 洋便器内

 

これらのうち、問題を起こしがちなのは小便器です。小便器内は尿石による悪臭が、メンテナンスを怠ると直ぐに発生します。酸性洗剤が必要ですし、バイオに寄る悪臭除去が適しています。
洋便器内から悪臭が発生しているようですと、メンテナンス事態に大いに問題があります。これは小便器外側からの悪臭がある場合も同様です。しっかりしたメンテナンスを先ずする事を心掛けるべきです。
3. 小便器床
小便器床は小便が床に垂らされる事によって引き起こされます。特にオダレ石と呼ばれる小便器の下の部分が問題になります。ここに白いシミが堆積しているようですと、少しメンテナンスのやり方に問題を抱えています。床の洗剤拭きが必要です。水はアンモニアに溶け込んでしまいますし、汚れの除去率も洗剤に比べてよくありませんので、最低でも洗剤拭きをすべきです。しっかり尿のコボシを取り去る必要がありますので。ここにはバイオクリーニングが適しています。
4.女子和便の床
ここも尿の撥ねによって引き起こされます。悪臭がある場合はかなりきついものになるケースがあります。ここもしっかりしたバイオクリーニングが必要になります。汚れが堆積しているケースでは(悪臭の強い場合)、強い洗浄効果のある除菌クリーニングを最初にしてしまい、そのあとでバイオクリーニングに切り替える事で、この状況を避ける事が出来ます。
5.飲食店などが入った大型商業施設での、小便器脇を中心にした立面(壁)からの悪臭
この場合は除菌クリーニングでもバイオクリーニングでもどちらでも効果を上げる事が出来ます。悪臭がここからしているようでしたら、水拭きは絶対にしてはいけません。上記の様に、アンモニアは水に溶けますので、作業者がタオルを使って小便器下などを拭いたもので、壁などを拭くことでも、この現象が起きてしまいます。タオルで床を拭いていないかを確認する必要があります。悪臭の原因を塗り付けている事になるからです。壁面全体から悪臭を感じるようでしたら、先ず水拭きを避け(タオルで床を拭いていないかの確認は元よりですが)、洗剤拭きに切り替える事で解決します。
6.床全体からの悪臭
交通施設の床、公園の床等多くの人に使われる場所で起こります。この場合もバイオクリーニングが最適です。除菌クリーニングでも良い場合があります。バイオクリーニングの方が効果が高いと考えてください。
7. 設備からの悪臭
実際に見に行くと、このケースは殆ど存在しません。数十件に1件あるかないかと言った所でしょう。私も様々な施設を相談され、数多くの場所を見てきましたが、20年近くの内で、この問題があったのはたったの2件です。


悪臭が起こっていると、多くの所で施設の所為にされますが、そうでない事が殆どなのです。上記を参考に
①    先ず、悪臭の主な発生場所を特定する
②    除菌クリーニングで対応するか、バイオクリーニングで対応するかを決定する。
③    悪臭の原因物の除去と効果的な発生防止の方法を実践する
こうした順番で考えるとよいでしょう。一番確実な方法は詳しい人に相談する事です。弊社のHPを下記に付けておきます。WEBででもご相談されるとよいでしょう。無料ですので。
悪臭の除去は科学的な方法で実施しましょう。効果が高く、楽で、確実なものにすべきです。