視察風景「技術にはレベルがある」 | お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

「仕事でお掃除をする方の作業を楽にする事」が使命(ミッション)だと考えています。

 一般の『お掃除』から世界のプロが実践する『メンテナンス』の紹介をしています。

ここの所(10~12月)、様々な現場を視察したり、講習をしたりする機会が多くありましが、その中でも多かったのが新潟と九州の高速道路のトイレルームでした。共に弊社のトイレメンテナンスシステムを導入してから、かたや10年近く、かたや10年以上経ちますが、両方とも、大変綺麗になっており、現場の方々は勿論ですが、その技術の落とし込みに尽力された担当の方々の努力には敬意の念を抱くと共に、頭の下がる思いでした。そして、作業をしている人の様子を見る事で、「技術にはレベルがある」という事をつくづく思い知らされました。

 


一体に技術には型と言う物(或いは基本)があり、それをしっかり身に着けているかどうかが非常に重要だと考えています。故中村勘三郎が言ったというのですが、基礎のある方が、それを土台にして、飛翔する事を「型破り」、それが無い人が派手な事をすると「かたなし」」なのだそうです。先ず、しっかりとしたやり方を理解し、実践し、それを続ける事で技術が上がり、プロ化していきます。
掃除は文化ですので、やり方はそれぞれですし、それで良いのだと思います。しかし職業で行う「メンテナンス」は技術ですので、「進んでいるか・遅れているか」「高いか・低いか」があるだけです。ここには「日本だから」とか、「海外とは違う」と言った言い訳は許されません。高い技術性が求められるはずです。
その為には、合理的・科学的な考え方と方法を取得する必要があります。世界にはその情報が溢れていますので、それを取得する事を心掛けるべきです。トイレメンテナンスで言えば、元々トイレルームは陶器や金属、プラスティックで構成されており、汚れが付き難く、付いても直ぐに取れるようになっていますので、それを理解し、その特徴を生かすように努めなければなりません。先ず言える事は絶対に「擦り(こすり)取ろう」としてはいけません。擦りを中心に考えると、必ず削る事になってしまいます。そうすると陶器や金属の釉(うわぐすり)やメッキを剝がしてしまい、見苦しくなってしまいます。適正な洗剤を使用すれば、汚れは簡単に除去出来ますので、その方法を先ず理解すべきです。
次に適正な洗剤を使用すべきです。目的に合った洗剤を使用しましょう。衛生性が問題なのか、美観重視なのか、或いはコスト重視なのか等です。
私達が扱う業務用のトイレは使用頻度が激しいので、便器内側には酸性洗剤が必要です。その上で、出来れば特徴付けをしましょう。消臭や作業効率が重要ならば「バイオボウル」が良いでしょう。衛生性や除菌が必要ならば、除菌剤配合の物(弊社ではスパークリングやグリーンレストルームクリーナー)が良いでしょう。便器内側以外の陶器や金属(便器・洗面台等)には適正でノンリンスの洗剤が簡単で、手間もかからず、効果も高いのでそれが向いています。弊社で言えばNABC(ナバック)でしたら、院内感染レベルの除菌効果、高い美観、消臭効果があります、ピロキシーでしたら、環境対応、高い美観・・・と言った感じで目的によって適正な洗剤を選びましょう。選んだ洗剤の適正をしっかり把握し、それを生かせば生産性が上がるはずです。


用具の選定とその使い方を覚える事も重要です。弊社でしたら、便器内側にはボウルスワッブをお勧めしていますが、これも正しい使い方をしっかり覚えましょう。使い方が非常に重要です。弊社では「梃子を利用し、押し込むように、乱暴に」と教えています。気になる方は弊社動画をご覧ください。


また、洗面台の清掃に、色付きのスポンジやパッドは厳禁です。研磨剤が入っていますので、特にメッキを傷め、見苦しくしてしまいます。既にマイクロ繊維を利用したパッドもありますし、弊社ではシェニール製(ポリエステル)のパッドの発売を開始しています。


その他では出来ればマイクロクロスを使用しましょう。美観レベルが数段異なります。正しい理解と正しく実践を重ねる事で技術が向上するのです。
戻りますが、この技術者たちは既に、洗剤使い分けが完璧に出来ています酸性洗剤やバイオ洗剤の利点を既に身にしみてわかっており、その効果も理解済みです。彼女(或いは彼)らは既に次に進む準備が出来ていますので、汚れがどこに主に付くか、その処理に集中する事で、更なる時間短縮が可能になったり、後輩を教えたりするうえで、問題点の把握が簡単になるのです。即ちこの人たちはプロに入る入口に既に到達していますので、更に理論や理屈を確認し、正しい実践を続けていけば、多くの方が求めるメンテナンスのプロになって行く事でしょう。基礎がしっかり身に付いたレベルになれば、プロへの大きな道が開けているのです。

少し前に書いた「トイレメンテナンス概論」と言う小冊子です。ご希望の方は弊社HPからご請求下さい。無料です。