インスペクター補習を受けて感じた事「血液由来感染症についての教育」 | お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

「仕事でお掃除をする方の作業を楽にする事」が使命(ミッション)だと考えています。

 一般の『お掃除』から世界のプロが実践する『メンテナンス』の紹介をしています。

インスペクター講習の補講の期日が迫っており、慌てて受けたのですが、病院清掃作業についての補講もありました。その中で、少し違和感と言いますか、改善点と言いますか、強く感じた事を書いていきます。


 

病院清掃についての教育ですが、血液由来感染症についての言及が無かったのに、強い違和感を感じました。ここの所、本年4月に施行された労働安全衛生法への取り組み方に対する質問が多く、それに多くの時間を費やしているのですが、今回の主な趣旨は化学物質に対する暴露防止になります。その為、洗剤を扱う際には、手袋をするように指導する事になるでしょう。化学物質のリスクアセスメントの第一歩だからです。
今回の法改正の一つのテーマは化学物質の取り扱いについての取り組みを欧米並みにする事がありますが、それならば、血液由来感染症に対する注意も欧米並みにすべきなのではないでしょうか?
私が米国に行くようになってから40年以上になりますが、当時から、洗剤を扱う際に手袋着用は必須でした。場合によってはゴーグル迄付けましたので、彼我の差は歴然としたものでした。
また、20年以上前に、米国OSHAが出したDVDビデオも届き、血液・体液による感染症「Blood Born Pathogens」(血液由来感染症)に対する取り組みを全ての業種に呼び掛けています。


 

補講では針刺し事故についての言及はありましたが、事故は針刺しだけではなく、もっと広い範囲の物ですので、これに対する教育を取り入れるべきであると思います。病院清掃では「自分が感染しない事・自分が感染源にならない事」が第一歩と考えられるからです。勿論この件は講師の方の責任と言うわけではありません。この業界全体でとらえるべきでおそらく現在の所、協会では今の状態で良いと考えているのでしょう。また、動画が2020年の物でしたので、今回の法改正の前だった事もあるかもしれません。ともあれ、血液・体液に触れる可能性を避け、保護具を必ず着用するよう指導すべきです。
院内では血液・体液に触れる事の無いように気を付けましょう。この事を少なくとも私の講習では必ず強調しています。この部分が改正される事を願っています。