メンテナンス業界でプロとアマの違いが問題になるケースがあります。以下の表はビルメンナンス協会が顧客800人を対象に行ったアンケートの結果です。お客様からみたワースト3は以下の結果になっています。
専門的な知識や技術の不足が42.3%でトップになっており、3位の作業品質が低い(28.9%)を合わせると7割以上の顧客から「プロではない」という評価を受けていることになります。業界にとっては由々しき大事です。
様々なプロがいますが一般的にプロとは、アマチュアと大きな差がなければなりませんし、実際に様々なプロはアマチュアと圧倒的な差を持っています。プロ野球の投手のスピードはアマチュアと全く違いますし、プロゴルファーの飛距離は素人とは比べ物になりません。見ている分には楽しく見れますが、対戦するとしたら問題にならないでしょう。職業的にもプロと呼ばれる人は、一般人が感心する技術を持っています。
掃除は文化ですので、様々なやり方や考え方があって良いのです。しかし、プロが職業として行うべき「メンテナンス」は技術です。科学的・合理的でなければなりません。技術の向上は正しい教育と絶え間ないトレーニングに尽きるのです。先ず、その最初の部分の教育が非常に重要なのですが、真っ先に必要なのは、その必要性を理解し、正しく実践すると言う決意です。
教育に関しては、様々な例えがあります。ここで書いたこともありますが、先ず「生徒(講習生)は座った時に準備が出来ている必要がある。」と言うのが欧米の教育論でよく出てくる項目になります。教わる方が、意欲がなければ、その教育時間は無駄なものになってしまいます。また、以前4つの茶碗と言う話を書きました。伏せている茶碗(話を聞く意思がない)、底の抜けている茶碗(覚える意思がない)、汚れた茶碗(他の知識に振り回され、新しいものを吸収できない)、奇麗な茶碗(本来あるべき生徒の姿)。
現在全国を講習会を実践しながら、歩いていますが、以前に比べて、熱心に講習を受ける方が増えている気がします。ともあれ、新しい技術や知識の習得はそれをマスターしている人に聞いてしまうのが一番早いのです。自分で工夫するよりも(これも大事ですが)よほど効率が良く生産性が上がるのです。
各メンテナンスは
1.素材を知る(対象素材の性質を掴む)
2.汚れを絞り込む(汚れのターゲティングをする)
3.正しいメンテナンス方法を知り、実践する(世界のメンテナンスは技術情報が非常にオープンなので、それをしっかり仕入れて実践する)
の順で行っていきます。
そして、汚れを落とすには
プロ用の洗剤使用の基本を我が社では「3つの原則 3つのポイント」として教育しています。これについて次回は書いていきましょう。