洗剤を使おう!4 自動希釈器を使え!!
RTUと稀釈
前回RTU(Ready to use=希釈済み洗剤)から濃縮タイプ(稀釈した使うタイプ)の洗剤に進む事が洗剤使用に当たってスムーズに行く方法だと述べました。今回はその続きで、稀釈するには自動希釈器を使う事が大変重要だと言う事を述べたいと思います。
私達プロが使う洗剤は殆どが希釈タイプです。この方が安価だからです。非常に効き目の強い洗剤が1ℓ当たり、50円を切ってしまうと言うケースも珍しくありません。しかし、この洗剤を使用する際に、希釈が守られると言う事が非常に大切なのです。洗剤には臨界ミセル濃度と言って、稀釈のベストの濃度があります。このポイントでその洗剤の特徴が出る様に最初から設計されているのです。例えば、ワックスの被膜を溶かす事なく(樹脂ワックスはアルカリに弱いのです)汚れだけ取る設計の洗剤がありますが、濃すぎればワックスを溶かしてしまいますし、薄すぎれば洗浄力が落ちてしまいます。
稀釈をする際に最もやってはいけないのは目分量で希釈する事です。これをやってしまうと洗剤の特性を生かすことが出来ませんし、その場では汚れが落ちても実際にはワックスや下地を傷めてしまうケースが多くなってしまうのです。
希釈の仕方は色々あり、計量カップを使って計算しながら稀釈する方法や、あらかじめ稀釈量を決めておいて、希釈ポンプを使用して希釈する少し簡易な方法もあります。しかし、メンテナンス会社は概ね数多くの現場を持っていますが、全ての作業者が正しく稀釈を守る事は確率的に非常に稀になってしまいます。たった1人の洗剤係りが稀釈をいい加減にしてしまうと、それを使用した全ての人の努力が無駄に終わったり、却って問題を起こしてしまったりします。こうした事を防ぐ必要があるのです。
一方、現場サイドに立ってみれば、洗剤の稀釈を守る事は結構な負担になります。先ず、その洗剤毎の希釈倍率を覚えなければなりません。各洗剤によって(普通は)希釈率が異なるからです。稀釈方法も覚える必要があり、稀釈道具も何を使うかを、希釈後の保存容器も決める必要があります。希釈後の保存期間も気にする必要があります。現場にはやるべき事が一杯あるのですが、こうしたことを一々正確に覚えて実行する事はかなりの負担になってしまうのです。こうしたことを一遍に変えてしまうのが自動希釈器です。自動希釈器は壁掛型やホースにつけてしまう簡易型など様々あり、今は安くなっています。これを付けてしまえば、あとは本社サイドや責任者は
「この洗剤はこういう特徴があり、こういう場所で使います。この洗剤を付けて拭いてください」
こういえば済むわけです。
「付けて拭くだけ」のです。
世界的には自動希釈器の設置は常識になっています。日本だけガラパゴス化してはいけません。