感染防止洗剤(Disinfectant Cleaner) Ⅳ
今日は感染防止洗剤についてです。
感染防止洗剤はDisinfectant Cleaner(ディスインフェクタント クリーナー)と言います。病院清掃にはこれが必要になります。
Disと言うのは「しない」 という意味で、infectionは「感染」という意味です。従って、Disinfectantは「感染しない」「感染防止」という意味になる訳です。そしてこれは環境消毒を意味します。さて、消毒と言う場合は、対象微生物がある事を指します。殺菌は微生物を殺す行為ですし、滅菌は皆殺しです。消毒の場合は対象微生物があり、病院では例えばMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)や、ノロウィルス、今回では新型コロナウィルス等になります。MRSAに対する消毒、ノロウィルスに対する、或いは新型コロナウィルスに対する消毒になりますが、その際に、英語でDisinfectantと言った場合は対象微生物の完全不活性化(簡単に言えば0にする=厳密に言えばウィルスの場合は少し違いますが・・)を指します。前回書きましたが、一般細菌は状況が良いと1匹が5時間で100万匹になってしまう計算から、少しでも残しておくと、安心できないので、完全に除去する(0にする)事が環境消毒上は重要なのです。病院では新型コロナウィルスだけでなく、様々な除去すべき対象微生物があります。
一方Sanitizer(サニタイザー) は総微生物の99.999%除去する力のあるものを指します。従って、Disinfectantよりも少し規定が緩やかです。総量が少なければ感染し難いのは最初に感染の三角形で説明した通りです。病院清掃の様に厳格性が必要な場合、或いは今回新型コロナウィルス対策の場合は厳格なDisinfectant Cleanerである必要があります。
もう一つ、Disinfectantに対する言葉でAntiseptics(アンチゼプティクス)があります。Antiseptics(アンチゼプティクス)のAntiは「しない」 、Septicは「敗血症」の意味で、「 膿む→膿まない」と言う事ですので、人体や動物の体を消毒するものの事です。日本では消毒と言う言葉が一つしかないので、不明瞭になりがちなのですが、環境(施設)と体の消毒では使う薬剤も少しずつ異なります。緊急の場合は良いのですが、恒常的に使用する場合は専用のものを使った方が、それ用に作られているのですので、圧倒的に使勝手が良いのです。因みにアルコールは本来はAntisepticsです。施設用ではありません。施設にはDisinfectant Cleaner を使用すべきなのです。
話は違いますが、昨夜は男子柔道の大野選手の試合と卓球混合ダブルス決勝を見る事が出来ました。この他の選手もそうなのですが、日本のアスリートの奮戦には、感動もしますし、清々しい気持ちになりますね。
がんばれ日本!!!