表面からの感染防止 ・感染の三角形 Ⅱ | お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

「仕事でお掃除をする方の作業を楽にする事」が使命(ミッション)だと考えています。

 一般の『お掃除』から世界のプロが実践する『メンテナンス』の紹介をしています。

表面からの感染防止

感染の三角形

さて、病院清掃を行うにあたって、先ず感染の基礎知識が必要になります。病院清掃を行うスタッフには、それを最初に教える事になるのですが、こうした幅広い講習会では先ずお断りしなければならない事があります。

即ち、私は医療環境の消毒清掃の方は専門ですが、人から人への感染のプロではありません。従って、感染についての説明の中で、医療関係者との説明と齟齬があった場合はそちらを優先してください。

さて、ともあれ病院では感染のメカニズムを知っておく事が重要になります。

米国では図の様な三角形を使って教えています。この3つのポイントと、その程度の差で感染の可能性を判断します。

左下がSusceptible Host(宿主)で、感染してしまう人の問題です。その人や体力・免疫力の問題で、体力のある方やその微生物に対して免疫力があれば(今回の場合ではワクチン接種などがまさにそれに当たります)感染し難くなります。逆に 最初に説明した易感染者や新型コロナウィルスでは高齢者は感染し易かったり、重篤化し易くなります。 

右下はMicroorganisms (微生物)の レベルと量の問題です。レベルとは感染力が強いとか感染すると重篤化すると言ったレベルの問題です。もう一つが量です。微生物量が多いと感染しやすく、量が少なければ感染し難い訳です。

 

上がMode (モード:仕方・方法)で、感染の仕方の問題です。3つの媒体から感染が起きます。

空気・血液体液・表面です。

空気を媒体にした感染では飛沫核の大き目な飛沫感染(インフルエンザ等)、飛沫核の小さな空気感染(結核・風疹等)があります。新型コロナウィルスは当初は飛沫感染の酷いエアロゾル感染(マイクロ飛沫感染)と言うような言われ方をしていましたが、最近では飛沫感染と言われているケースが多いようです。空気感染の場合は非常に感染力が強く注意が必要で、病院からの指示にシッカリ従う必要があります。保護具や設備的な決め事(空調等)がありますのでそれに従わなければなりません。今回の新型コロナウィルスも同様の措置が取られていますね。

新型コロナウィルスでは一般的には社会的距離(1.8~2m)を取る事や密を避ける、マスクの使用と言ったことが重要とされています。

 

血液体液で感染する病気では代表的なものにHIV(エイズ)、HBV(B型肝炎) HCV(C型肝炎)があります。この病気は一旦掛ると完治し難いので、感染しない事が非常に重要です。通常は1時間程度掛けて講習するのですが、 血液・体液の着いたものには絶対に素手で触れてはいけません。ゴミ箱に手を入れたり、目に見えない場所に手を入れてはいけません。目や顔に触れたり跳ねが考えられる場合はゴーグルやフェイスシールドが必要になります。

必要があれば、弊社にお問い合わせ下さい。弊社営業がWEB講習します

                                                                                                

最後が表面からの感染です。

感染した人が触れた場所を他の人が触れ、その手で自分の目・鼻・口等を触って感染する方法です。接触感染と言われる感染方法です。手洗いが重要なのはこのためです。

表面からの感染では、表面上を綺麗にし、対象微生物を取り除き、不活性化してしまえばそこからの感染は起きない事になります(次の人が触れるまでですが)。ここが私達の守備範囲になります。全体的には大きくはないものの大変重要な部分である事は疑いようがありません。

シッカリ覚えましょう。