これから3つ、洗剤を使うにあたって非常に重要な概念を覚えましょう。「ファインミスト(細かな汚れ)の除去」、「臨界ミセル濃度」「リンス/ノンリンス」です。今回はファインミストの除去です。
科学的清掃「メンテナンス」を行うにあたって、世界のメンテナンスパーソンが重要視するのが「ファインミストの除去」です。細かな汚れは私達の周りに、一杯あります。一番分かり易いのはテレビです。私も毎年年末にテレビを清掃します。水拭きでは中々綺麗にはなりませんが、専用のガラスクリーナー(中性で、汚れが取れ、拭き跡が残らない設計です)を使うと、一拭きでビックリする位綺麗になります。このまま家電店に展示してもすぐ売れそうな位綺麗になるのです。一年掛けて段々汚れるのですが、すっかりその状態に慣れてしまうので、「ウチのテレビはそんなものだ」と諦めてしまうのです。チョットの手間を掛ければ物凄く綺麗になるはずなのに・・・・。
写真を見てください。左は洗い方が良くない為(水洗いか洗剤が適正ではないのです)に汚れが完全には落ちていません。右は細かな汚れまでシッカリ落ちています。バーテンダーがクラスを洗い上げる様子を想像して下さい。キュキュッと音がするくらいに磨き上げます。適正な洗剤使用とテクニックがあの状態にするのです。ガラス本来の美観と光沢が戻るのです。
例えば、トイレで陶器や金属部分の汚れを細かな汚れまで取れば(クレンザーや色付きパッドで擦っていなければ=うわぐすりやメッキを剥がしてなければ)ピカピカになります。弊社のNABC(ナバック)であれば、ノンリンス(一度拭き)ですので手間は水拭きと変わりません。しかし、美観が向上します。そして、汚れるまでに時間が稼げますから、作業効率も良い事になります。
テレビの例を出しましたが、A社は水拭きをしていれば(水ではファインミストが取れません)我が家のテレビをお客様に提供する事になります。B社がガラスクリーナーを使えば、有名家電店で展示されている状態のテレビを提供する訳です。ガラスクリーナーもノンリンス(一度拭き)です。
床のワックス管理で考えましょう。C社は水拭きだとすると、汚れが毎回80%しか取れませんので、堆積します。バフを掛ければ汚れを巻き込みます。堆積した汚れの為、定期清掃も大変です。剥離清掃の時期も早くなります。D社はノンリンスの床用洗剤を使用しています。一度拭きはC社と一緒です(汚れが直ぐ取れるので場合によっては作業は早く終わるでしょう)。汚れは100%取れる事になりますので、バフを掛けるとピカピカになりますし、定期清掃もC社より少なくする事が可能ですし、剥離清掃も期間を相当(何倍にも)延ばす事が可能になるのです。しかも、作業効率だけでなく、毎日の状態も(美観上の問題)D社の方が綺麗なのです。
ファインミストの除去は美観を向上させ、汚れるまでの時間を稼げますので、作業効率もアップすると言う非常にお得な(一粒で2度美味しい)テクニックなのです。洗剤を使用する際に、是非着目して下さい。直ぐに出来るようになる技術です。しっかり洗剤を付け、布で拭き上げればよいのです。
日本の高級ホテルでも、海外の高級ホテルに比べ、トイレ等のファインミストの除去がなされていない為に、高級感が出ていません。そこに意識を向ければ難しいテクニックでは決してないのです。着目する方が増える事を切に願う次第です。