WEB講習会 洗剤とはⅢ 洗剤の役割 Ⅳ | お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

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洗剤とはⅢ

 

実際のWEB講習ではここでアムテック博士が登場するのですが、説明を続けましょう。

洗剤の主成分は界面活性剤と言い、上記のマッチ棒の様な形をしています。片一方が親水基でもう一方が親油基です。写真のビーカー左の様に、水の中に油を入れると、分離したままになります。「水と油」という位仲が良くないのです。しかし、この中に界面活性剤を入れると、片方の手が水と、もう一方が油の粒子と結びつきます。そして、水の中に油を溶かし込んでしまいます。白濁(乳化)します。この作用で、本来取れなかった油汚れが取れるのです。最初に書きましたが、私達の身の回りの80%は水溶性ですので、水拭きで落ちますが、残りの20%は疎水性(ほぼ親油性)です。水では80%しか落ちませんが、洗剤では100%落ちる事になる訳です。

 

 

洗剤の役割Ⅳ

洗剤の役割は大きく言って次の2つになります。

1.水と油を仲良くさせる

2.表面張力を落とす

 ラウンドリ―をする場合には浸透圧についても覚える必要がありますが、メンテナンスでは以上の2つで大丈夫です。

1の「水と油を仲良くさせる」はやりました。

2の「表面張力を落とす」で分かり易いのは左下の写真の手に泥を一杯つける実験です。手に泥を一杯付け、水洗いをすると、中々落ちないのでイライラします。しかし、石鹸を付けるとあっと言う間に綺麗になってしまいます。ここで問題なのは、泥は油ではない事です。有機物ではなく、無機物です。どうして無機物の泥が落ちるのかという事になりますが、これが表面張力を落とす作用なのです。泥は小さな粒子が固まってくっ付いたものです。虫眼鏡で見れば、割れ目が一杯あるのですが、水は表面張力の強い物質ですので、中に入って行かないのです。しかし、界面活性剤は表面張力を落とします。物凄くサラサラになりますので、割れ目の中に入って行き、湿潤することで汚れを流れ落とすのです。

即ち、界面活性剤を上手く使えば、有機物の油汚れも、無機物の泥や煤の汚れも綺麗に落とすことが出来る訳です。

 

アムテック博士の動画です。ご理解が深まれば・・・

https://www.youtube.com/watch?v=r7O0f3nBwyM