インスペクションの功罪「便器に手を入れるな!」
トイレ清掃を指導している際に良く出会うケースとして、便器内に手を入れて清掃をすると言う事があります。このブログでも何回も強調していますが、便器に手を入れて清掃するのは望ましい事ではありません。シッカリした会社で、社員の意識も高いのに、便器内に手を入れての清掃をしてしまうのにインスペクションが関係しているケースがあるのです。
社内のインスペクション機能がある会社の場合に起こす問題の一つですが、こうしたケースがあります。インスペクターは本来はメンテナンスに詳しい人がすべきなのですが、清掃実務に詳しいと言う事ではなく、管理畑の人が、インスペクションをする場合、便器内についた小さな汚れ(殆どが尿石)を見逃す事はありません。当然、尿石が付いている事を指摘するわけです。原因はトイレブラシ(弊社では『ボウルスワッブ』)の押し込みが弱いのです。
ボウルスワッブ
正しい対処方法は洗剤をシッカリ着け、ボウルスワッブでしっかり擦る事をトレーニングしなおす事です。便器内の角の部分(リムと言います)にブラシのふんわりした部分を強く押し込むようにすればこうした事態を避ける事が出来ます。自分でもビックリするぐらい奥まで押し込みましょう。
写真ではチョット分かりづらいかもしれませんが、グッと押し込みます。
しかし、それでも、古い便器や形状によってはほんの少しついてしまう事があるのです。上記トレーニングが完璧であればその事態さえも避ける事が出来るでしょうが、作業性に完璧を社業者全員に期待するのは、少し無理があります。そうなると、一番簡単な解決方法は便器内に手を入れて、尿石をゴシゴシ擦り取る事です。
目皿の下に隠れている尿石です。これでも大問題になってしまう事があるのです。
こうなると当然のことながら、大幅に作業時間をかける事になります。人手不足の折、作業時間の短縮は喫緊の事項であるにも関わらず、作業者は指摘を受ければ、まじめな人ほど職務を全うしようとして、手を入れて時間を掛けて擦る事になります。お客様に対する衛生性と血液・体液の出る便器内に目が近づくことで、作業者の安全性も大きく損なう可能性が出てきます。
一方、インスペクターも、まじめな人ほど、キチンと指摘をする事になり、小さな尿石も見落とそうとしません
どちらも仕事に熱心だからこそ起こる事態なのです。
重要なのはお客からは見えもしないリムの裏側の汚れまで果たして取る必要があるかどうかのプロ的な判断なのです。見えない汚れであれば、そしてそこに仮に弊社のバイオボウル等のバイオ洗剤を使用していれば臭いもしないのですから(バイオは消臭効果が抜群なのです)、見逃してやった方が、作業効率、安全性、衛生性から言って向上します。
「この程度なら気にする必要はないので、従来の作業で大丈夫です。」
と断言できるプロの目が必要な訳です。
ここの見極めこそが重要なのだと言う見地が欠落しているケースが多すぎます。
インスペクションは重要ですが、ここの判断こそが最重要なのだと肝に銘じましょう。
因みに明日から3日間 東京ビックサイトでクリーンEXPO 2019 ビルメンヒューマンフェア
に出展します。
お越しの際は是非弊社「アムテック」のブースにお立ち寄りください。