針刺し事故の多発「ブラッドボーンパソゲン/血液由来病原体」の教育
これも地方に行った時の話です。大手メンテナンス会社に寄り、お話を伺っていたのですが「針刺し事故の多発」に困っているとのことでした。
最近ではあまり聞かなくなっていたのですが、「やはりあるところにはあるのだなァ」とびっくりしました。
針刺し事故は言うまでもなく、大変危険で、是が非でも減らす必要があります。病院清掃をする際に、欠かせないのが、Bloodborne Pathogen(ブラッドボーン・パソゲン 血液由来病原体)に対する教育です。
もう、15年位前になるでしょうか、米国から、このテーマに対するVHSテープが送られてきました。OSHA(米国労働安全生成管理局;オーシャ)作成です。米国全体で、この病気に対する予防キャンペーンが行われていたのです。
先ず、ブラッドボーン・パソゲンの説明です。血液・体液で移る病原体で、代表的なのがHIV(エイズ)、HBV(B型肝炎)、HCV(C型肝炎)です。「これらの病原体に一旦感染してしまうと、病状を抑えたり、遅らせる事はいざ知らず、完治する方法が現在は見つかっていないのだ。」と強調されます。そして、作業をしながら、こうした病原体に感染してしまう事の無いように十分な注意が必要である事が繰り返され、次のシーンで様々な職業の人がこの病原体に感染しない為の対策をどうするかを述べていきます。
最初に出てくるのが警察官です。米国は武器社会ですので、犯人(容疑者?)を逮捕する際に、先ず手袋をし、ホールドアップさせたまま体を触り、武器の無い事を確かめるのです。犯人が怪我などをしており、それに触れて感染しないようにしているのです。シーンが変わり、その警察官が自分たちが如何にこの問題に関心があるかを述べるのです。
次が消防官です。火事の現場では、怪我をした人が多い事から、その対処が問題になるのです。
次が医療関係で、最後がメンテナンス関係者でした。メンテナンス関係者は医療機関に勤めている人々です。それぞれのブラッドボーン・パソゲンに対する対応が各作業者によって強調されるのです。針を収めるボックスが色が強調され、安全なバッグに確実に収納されるもので、その取扱いにも十分注意されることなどが力説されています。
仕事をするうえで、病気をしてしまう事はいかにもプロ的ではありません。先ず、自身の安全性確保が重要です。勿論医療では、感染防止の知識が不可欠です。
医療機関でメンテナンスに従事する際には、必ず時間を取って、ブラッドボーン・パソゲン(血液由来病原体)対策をすべきです。血液・体液から感染する病気がある事、血液・体液に直接触れては絶対にいけない事、増してや針は体液が直接体内に入ってしまうので、非常に危険であることを教育する必要があります。医療関係にメンテナンスで従事している方がこのブログを読まれていたら、是非「ブラッドボーン・パソゲン・血液由来病原体」に対する教育を実施してください。