講習会にて「水神話と洗剤の効用」
水曜日の社内講習会は好評で、ホットしています。熱心な方が揃っており、質問も多く出ました。
講習では洗剤の使用量をしっかり守る事を強調し続け、デモでも洗剤をたっぷり付けたのですが、そうした中でどうしても使用量が多く感じられること、洗剤を付けたまま(NABC=ナバックはノンリンスなのです)で良いのかが気になると言う意見が出ました。そこで水神話の話をしました。
我が日本は水が豊富なのです。日本に世界の4大文明が起こらなかったのは、水不足が無かったからだと言う本をついこの間読みました。また、鎖国から開国へと向かった際に、外国人が日本が綺麗で、日本人が清潔にしている事に大層感心したのですが、これも風呂に入るという習慣の所為でしょう。水が少ない地域では風呂は贅沢なのです。若いころ、ドイツ(当時は西ドイツ)に1年間留学していたのですが、殆どがシャワーで、最初は違和感がありましたが、若かったせいで直ぐにそうしたものだと納得して慣れました。又、私が若い頃のベストセラー「日本人とユダヤ人」でも「日本人は安全と水がタダだと思っている」と書かれており、若かった私は衝撃を受けました。実際に我が日本は有り難い事に水が豊富なのです。
また、日本人は本質的に水を汚すことを嫌います。江戸が100万の人口を抱えながらも東京湾の魚が生で食べられたのも、糞尿を川に流さず、溜めて上流の農地に還元していたからです。外国の川は日本の川ほどきれいではありません。川を汚さないという文化が無いせいです。
私達日本人にとって、水は不浄なものを浄化してくれる大切な存在で、水をふんだんに使い身の回りを綺麗にする事に慣れています。嫌なことがあっても「水に流せばいい」訳です。
しかし、皮肉なことに、清掃のプロにとってはここが大きな足枷になるケースが多いのです。このブログでも何度も強調していますが、私たちの身の回りの汚れの汚れは水では8割しか除去出来ません。
先ず、親油性の汚れは除去出来ません。
細かな汚れ(ファインミスト)も除去し難いのです。
病原菌の除去と感染防止には水だけでは不可能です。
ファインミストについて述べれば、この除去が出来ないので、残念ながら我が日本の一流ホテルのトイレは(一部を除いて)全く高級感がありません(外国と比べると明らかです)。
それに、水拭きだけではアマチュアと差をつける事が出来ません。洗剤を使いこなせるからこそ料金を頂くに値する(と外国では考えられています)のです。
プロである以上、水拭き出来るのは当然で、その上の効果を目指して、適正な洗剤を選び、最大の効果を出す事が重要なのだと考えます。その為に世界には水拭き不要(ノンリンス)の優秀な洗剤が一杯あるのです。