メンテナンスの誕生
世界的にはプロが行う清掃の事をメンテナンスと言います。前回ご紹介した世界地図上の国々で行われている清掃方法ですが、元々米国で誕生し、そのやり方が非常に優れていた為、世界中に広がりました。お掃除を論理的・合理的に捉える方法を実施する事で各国現地の作業時間を少なくとも三分の一削減する事が可能だったため世界に広がったのです。このメンテナンスは時系列的・自然発生的に発展してきたものではありません。今から40年近く前に突如として米国で生まれた世界観なのです。
経済競争の激しい米国では、清掃業も例外ではなく当時から激しい競争をしていました。そして、当時(今も似ていますが)この業界に入ってくる人は米国に来たばかりで健康ではあっても英語がそれほど十分ではない、しかし生活の基礎の為に働きたいと言うような人が大勢いたのです。その人達をいち早く戦力化すれば競争に勝てる理屈になります。この構造が軍隊に似ていると考えた経営者がいたのです。軍隊も参謀本部が出来て近代化が大幅に進みましたので、同様に優秀な連中を集め、その連中に管理運営させようという事が始まりました。今でこそ珍しくありませんが、MBA(経営学修士)が雇われるようになったのです。1社が始めれば他社もと言う事で、大手の清掃(ジャニタリーサービス)会社でこのMBAを雇って管理運営させると言う方法が流行ったのです。
MBA達は大金を払われて雇われていますので、結果を出さなければすぐに馘になってしまいます。彼らは必死に働き、大きな成果をこの業界にもたらすことになりました。論理的・合理的なお掃除「メンテナンス」が誕生したのです。