保護膜タイプの洗剤「ステンレス」 | お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

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木部に保護膜タイプの洗剤が向く事を前々回書きましたが、今回は同様にステンレスに向く洗剤に付いて書きます。

ステンレスにはヘアーラインと呼ばれる細かな線があるものと、エッチングと言って模様のあるもの、鏡面仕上げと言って鏡の様になっているものがあります。今回は大部分である、ヘアーラインのあるステンレスについて書いていきます。

玄関部分、エレベーターの脇などに多用されているステンレスにはヘアーラインと言う細かな線が入っています。清掃する際にはこのラインに沿って清掃する事が大変重要です。横にラインがあるステンレスを縦に拭いてしまうと、拭き跡が醜く出てしまいます。簡単な注意事項ですが、気を付ける部分です。

通常の場合はステンレス用の保護膜タイプの洗剤をスプレーし、拭いて行けば、或る程度の汚れは取れますので、問題ありません。

若し、ステンレスが酷く汚れていた場合は洗剤で汚れを最初に取る事が大切です。アルカリ性万能洗剤が良いでしょう。殆どの汚れを綺麗に取り去ってくれます。汚れを取ったら水で充分リンスする必要があります。

ステンレスは元々Stain(錆)がless(littleの比較級)、即ち錆無い(錆びにくい)と言う意味の金属ですので、錆びる事は少ないのですが、トイレ内壁部分など、水が多く使われる場所では錆が付くケースがあります。この場合は酸性洗剤が必要です。

この時に重要な事ですが、上記の様に、アルカリ性万能洗剤や酸性洗剤を使用した場合はリンス後、時間を掛けてから(一般的には翌日)保護膜タイプの洗剤を使用しましょう。特にアルカリ性万能洗剤は強い洗剤ですので、ヘアーライン内に洗剤分や水分が残っているとムラが出てしまうので注意が必要です。慣れも必要ですね。

手慣れた連中はアルカリ性万能洗剤を使用した後、白パッドで洗浄面をスクイジーの様に使って洗浄液を一旦取り去り、その後リンス拭きします。こうする事で殆どの洗剤を取ったうえでのリンスですので、アルカリ残留が起きにくいのです。そして、直ぐに保護膜タイプを施工します(手慣れているのです)。

さて、汚れを取ってからは、上記保護膜タイプの洗剤での日常管理が最適です。光沢が上がりますし、汚れが付き難くなります。このタイプの洗剤はオイルタイプの物とシリコンタイプの物があります。オイルタイプは高光沢ですし、扱いも簡単です。シリコンタイプは施工に少し慣れが必要になりますが、長持ちします。オイルタイプですと人が触れるとすぐに指の跡(フィンガープリント)が付いてしまいますが、シリコンは付き難く、付いても目立ちにくいのが特徴です。どちらかを全面的に使用し、次の清掃ではフィンガープリントだけを同じ洗剤で拭いて消してやればよいので、清掃も簡単になります。美観も綺麗で、作業時間短縮にも貢献する訳です(全面をしょっちゅうやる必要がないので)。

木部の洗剤と同様ですが、水を含んだタオルは厳禁です。繰り返しの説明になりますが、洗剤内の界面活性剤が水に反応してしまうので、白い拭き跡が出てしまいます。乾いた綺麗なタオルか布を使用します。同じ洗剤が付いている場合はその布が汚れるまで、使い続けて大丈夫です。

 

シリコン系「ステンレス・スチール」