地方の展示会である駅のトイレの悪臭除去のご相談を受けた時の事でした。その駅に実際に行き、男子トイレを覗いたのでしたが、条件が非常に厳しい事は直ぐに分かりました。乗降客が多い所に持ってきて、小便器が3つしかないのです。酷い悪臭と言うほどではないのですが、やはり悪臭を抑える事が出来ていません。弊社製品を使っていないで良く抑えている方だと思いました。どの位の回数清掃に入っているのだろう・・・?
さて、提案に当たって、弊社のトイレ用バイオ洗剤バイオボウルとバイオ+除菌で消臭用の床用洗剤エコライザーをお薦めする事にはなるのですが、こうした厳しいケースで良くやるのが最初に小便器にコンシュームと言う洗剤を投入する事です(イニシャル・ドーズと言います)。
このコンシュームと言う洗剤は中性洗剤に大量のバイオを含ませた商品でレストラン等の厨房にあるゴミ溜めのケース「グリーストラップ」や浄化槽、汚水槽、汚染された湖沼などの浄化用に作られた洗剤です(実際によく効きます)。
かつて、我が日本でもバイオ洗剤が開発され、上記グリーストラップなどに数多く試されたことがあったのですが、結果は思わしくなかったのです。グリーストラップや浄化槽は汚れを溜めるのですが、汚泥とその上を流れる汚水に分かれます。汚水の方には空気が含まれているので好気性バクテリア(酸素が必要なバクテリア)は活動できますが、肝心の汚泥には空気が無いため、上記バクテリアは活動できないのです。うまく行かなかったのは好気性バクテリアを使っていたからなのです。ここでは嫌気性バクテリアが有効なのですが、空気のある汚水には逆に不向きです。
コンシュームが大成功したのは、通性嫌気性バクテリアと言う空気の有るとことでは好気性バクテリアとして、空気のない所では嫌気性バクテリアとして活動するバクテリア群を選び作ったからです。この洗剤がアメリカを席巻したのです。
上記の使用用途の他に、エステサロンで海藻パックの廃液に対する悪臭除去にも使用されています。また。10倍に薄めるとカーペットの染み抜きとしても使えますので、ハウスクリーニングでも良く使用されています。タクシー会社でも嘔吐対策や新車の臭いを除去(必要なのでしょうか?)する為に使用されています。
コンシュームはコンシューマー(消費者)と言う言葉があるように食べると言う意味なのですが、語感としては「ガツガツ食べる・食欲旺盛に食べる」と言う事で、実際に多くの汚れを良く食べてくれます。この成功から、数多くのバイオ洗剤が生まれ、上記バイオボウルやエコライザーもその例ですし、その他カーペット用や石油系汚れ取り用、変わったところでは酪農用(悪臭除去)、蚊の除去用(水たまりに入れ蚊の蛹の孵化を防ぎます)など様々なものが生まれる事になったのです。
