感染防止洗剤(Disinfectant Cleaner)のDisinfectant③ | お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

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感染防止洗剤(Disinfectant Cleaner)のDisinfectant(ディスインフェクタント)とは

 病院では昨日述べたように、水拭きは向きません。常在菌を塗り拡げてしまう可能性があ
弊社が薦めているのは感染防止洗剤(Disinfectant Cleaner)です。

※ここからは細かいので、興味のある方や教育担当の方向けです。そうでない方は読み飛ばしてください。
 日本語では消毒と言う言葉は一つしかありませんが、米国では人体や動物の体を消毒する事をAntiseptic(アンチゼプティク)と言い、環境を消毒する事をDisinfectantと言います。Antiはアンチジャイアンツと同じで「反」とか「・・しない」と言う意味です。Septicは「腐敗」「敗血症」の意味ですので、Antisepticは人体や動物の傷などが「膿まない」「敗血症にならない」と言う意味になります。
 一方、DisinfectantのDisはこれもまた「Not」「・・しない」の意味です。Infection(インフェクション)は「汚染」「感染」と言う意味ですので、合わせて「感染しない」「感染防止」と言う意味になるのです。
 こうして面倒くさく分けるのも、DisinfectantとAntisepticでは薬剤の効きが異なるからです。即ち私達がよく用いる4級アンモニウム塩はAntisepticではウィルスには効かないケースが多いのですが、Disinfectantでは効くケースの方が多いのです。※

 環境消毒(Disinfectant)の米国での規定は非常に厳格で、用途の対象は硬質(Hard Surface)で穴の開いていない(Non Porous=非孔性)表面になります。通常のコンタクトポイントが対象です。以下に病院でのコンタクトポイントを挙げましょう

1. ベッド手摺り
2. ベッドサイドテーブル・引き出し
3. 電話
4. 患者コード
5. リモート・コールボタン
6. 照明スイッチ
7. シンク蛇口
8. ドアノブ
9. トイレハンドル
10. ベッドテーブル
11. 患者椅子アームレスト
12. トイレ内手摺
13. IVポール
14. ベッドコントロールボタン
です。

 勿論、場所や設備によって異なりますが一応の目安です。
 そして、これら人の手の触れる硬質で非孔性表面をDisinfectant Cleaningをするという事は、作業後対象微生物を完全不活性化(誤解を恐れず簡単に言うとゼロにする事)する事です。言葉を変えると、その感染防止洗剤を正しく使用したら、対象微生物を完全に除去できるという事なのです。その事を証明するのがEPA(Environmental Protection Agency=米国環境保護局)登録と言う制度になるのです。