メンテナンスの考え方④ 「汚れの種類とターゲティング」 | お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

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メンテナンスの考え方④
「汚れの種類とターゲティング」

お盆も明け、今日から仕事の方も多いでしょう。通勤電車も通常の様に混んでいました。
メンテナンスの考え方(8月8日)の続きです。前回は「素材を知る」(クドイですが8月8日)について述べました。

素材に着いた汚れをやみくもに取ろうと意気込んでしまうと、意外に効率が上がらないのです。それぞれの材質には、特有の汚れがあり、その汚れを落とすと概ねメンテナンスが旨く行くと言うツボがあるのです。汚れに狙いをつける(ターゲティング)のです。

カーペットやワックス管理では「土砂」がそれに当ります。ワックスはプラスチックでそれ程硬くはないのです。そこで、土砂が靴で踏まれることで、ワックスに傷が着き、光沢を落としていきます。

カーペットも同様に「土砂」が重要な除去目標になります。カーペットのパイル(毛)の間に土砂が入り込み、その上を人が歩くことで、土砂がヤスリの役割になり、パイルを傷めてしまうのです。従って、カーペットでは人が歩く場所にバキュームを掛ける事が非常に重要になります。

上記の理由から、床管理にはマットを活用する事が重要です。土砂マットは全ての出入り口に3.6m~4.5m敷くと靴の裏の土砂の85%を除去できると言うデータがあるのです。室内の土砂の90%が靴の裏から運ばれますので、土砂を効率よくカット出来るマット管理がメンテナンスコストを下げるコツの一つになります。

家庭のトイレではなく、仕事で使用される業務用のトイレでは尿石と水垢がターゲットになります。ここでも何回か書いたと思いますが、尿石と水垢は酸でないと除去できません。

通常の洗剤はアルカリ性ですので、通常の洗剤は不向きなのです。ここを誤解するとトイレ清掃で大変な思いをする事になってしまいます。尿石はカルシウムですので、貝殻と同じです。言ってみると、船底に着いたフジツボと一緒なのです。擦り落とす(物理的力でと言う意味です)には非常に多くの労力が掛かる事になります。うっかり研磨剤の入ったモノを使えば、陶器を傷めてしまいます。

「業務用トイレには酸性洗剤が必要です。」と言い続けているのはこの理屈があるからです。

汚れに狙いを絞る事は非常に重要なのです。