清掃費は安易に下げられない | お掃除とメンテナンスのプロ 矢部要のブログ

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メンテナンスのモジュール化②

清掃費は安易には下げられない・・・

 金曜日(の午前中)にこのブログにメンテナンスコストの削減について書きました。メンテナンスコスト削減例を少しオーバーに(計算し易いように設定した所為もありますが)4割に設定し、カッコ付きでかつてはこんな話がよく聞かれましたなどと書きましたが、午後にお客様のメンテナンス会社の重役にお会いした所、向こうから最近コスト削減要請が激しい事、2~3割の削減要求が多く、中には5割削減などの要請を受け、間に入ったコンサルタントから「嫌なら他にやる業者がある」といわれたと言っておられました。それを聞き、私自身も暗澹たる気持ちになりました。


 私もメンテナンス原価を下げる方法をこれから紹介して行こうとしているのですが、清掃費を安易に下げる事には全く反対なのです。前回書きましたように、建物の清掃はお客様や、テナント、社員の方に最も身近であり、そこがぞんざいになるとビルの評価に直結します。

 また、残念な事ですが、清掃は多少手を抜いても、すぐにその事実を見抜く事が簡単ではありません。見抜く為のルール作りも出来ている所の方が少ないでしょう。

 一方お掃除は概ね人手によって行いますので、圧倒的な機械化やメンテナンス方法のよっぽどの革新がない限り、同じ人間のパフォーマンスを2~3割、場合によっては5割も上げると言う事は論理的に難しいと思われます(実際には方法はあるのですが・・・・)。そうなると、どこかでトリックがある事になりかねません。それでは仕様書通りに正直にやればやるほど、正直な会社が損をする事になってしまいます。フェアな競争の土台がなければ、業界としての誇りも持ちにくく、将来性も見えにくいのではないかと懸念します。

 こうしたオファー(値下げ要請)をする以上、そのコンサルタントは削減方法を論理的に説明する必要があるでしょう。または、逆の方法として、削減する事に同意した業者が約束通りの仕様でなかった場合の責任を取る必要があるのではないかと思います。

 私はメンテナンス原価コストを削減する事に単に反対しているのではありません。業界が健全である以上、原価削減の努力は非常に大切です。安易な削減が宜しくないと言っているのです。

 メンテナンスの原価を下げる方法は従来の「お掃除」の世界からプロが行う「メンテナンス」の世界への移行が必要だと私は考えています。メン・テモジュールの説明はまだ先です。合理的かつ論理的なお掃除であり、我が日本がガラパゴス化している為に情報が中途半端にしか入らず、革新の余地が多い「メンテナンス」の世界についてのご説明を先にする事にいたしましょう。