先週の福岡出張で感じた事ですが
トイレメンテナンスで幾つかの相談を受けましたが
便器に手を入れてお掃除する癖がなかなか抜けないケースがよく見られました。
便器に手を入れてお掃除してはいけません。
便器に手を入れてお掃除する理由ですが
1.プロとしてのプライド「こういう場所に手を入れる事をひるまないプロとしての精神性」
2.手を入れてこすらないと落ちる気がしない。
3.手を入れずに清掃する事は一種の手抜きと感じてしまう。
などが挙げられます。
しかし、最大の理由は便器に着く汚れが通常の汚れとは反対の酸が必要であると言う事が教えられていない事なのです。
日本ではビルクリーニング技能士の教科書でも若干の記述にとどまっており、トイレメンテナンスにおける酸性洗剤の重要性が書かれていません。
繰り返します。
業務用トイレに通常の場合酸性洗剤が必要です。
便器に付く尿石はカルシウムなのです。カルシウムは酸で溶かす事が出来ますので、酸性洗剤を使えばトイレ清掃は簡略化できるのです。
トイレ用の酸性洗剤の多くが塩酸ベースで、危険性を謳われて嫌われているケースが見られます。
塩酸が使いにくいのであれば、クエン酸ベースなど安全なものがありますのでそういうものをお使いになるべきです。
トイレに手を入れると以下の点でよろしくないのです。
1.作業者の安全性
2.衛生上の問題
です。
1.の作業者の安全性では、便器内には血液や体液が出る場所ですので、血液・体液でうつるブラッドボーン・パソーゲンの問題があります。手袋をすれば済むと言う問題ではなく、接触機会を減ずることが重要だと考えます。
2.の衛生性の問題では、便器内を触った手袋で他の場所を触れた場合の衛生性はどうなるのでしょうか?
ノロウィルスの様に糞口感染と言うあだ名のある感染力の非常に強いウィルスに対する処置として便器内に手を入れては到底防ぐ事は不可能です。
口はばったいようですが、この問題は現場で解決する問題と言うよりも経営層が決断すべき問題であると思います。