病院清掃⑩ 洗剤の使い方Ⅱ「背骨以外の洗剤は?」
昨日、背骨となる洗剤(基本の洗剤)について述べました。今日はそれ以外の洗剤の選び方について述べて行きます。繰り返しになりますが、病院では水拭きは向かないため、水拭き代わりに使用する洗剤が必要だと言う主旨で基本的な洗剤について書いたのです。
さて、それ以外では、先ず水回りは洗剤を変えるべきでしょう。トイレや風呂場は通常の洗剤は効き目がありません。これは、通常の洗剤は基本的にアルカリサイドに傾いており、トイレと風呂場だけは酸サイドが必要な為です。
このブログでも何回か書いていますが、トイレでは酸性洗剤が必要です。これは便器内に着く尿石がカルシウムであり、カルシウムはアルカリ性であるため、酸でないと除去出来ないのです。
病院清掃では便器内に手を入れてゴシゴシこする事は厳禁です。洗剤が適正でないと擦って落とすしか方法が無くなってしまうので、この部分を誤解すると便器内に手を入れて擦る行為が出てきてしまいます。トイレには専用の洗剤を使用しましょう。今では安全な酸性洗剤も出ていますので、こうしたものが使い易いでしょう。便器に手を入れずに清掃する方法を御存じなければ、弊社のホームページに掲載されているDVDをご覧ください。
風呂場も石鹸やシャンプーと言うアルカリ性の残留物がある為、酸に傾いた洗剤が必要になります。病院や老人ホーム(或いはホテルや旅館、スポーツ施設なども同じです)でお風呂場の掃除に時間が掛かっているケースは洗剤の適正が間違っているケースが殆どです。ここも風呂用の洗剤を使用しましょう。病院・老人ホームの場合は除菌剤配合である事も必要です。
もう一つ大切な事は、血液・体液、或いは嘔吐などの処理の為の洗剤が必要になります。血液・体液から感染するブラッド・ボーン・パソーゲン対策です。少し強い洗剤になりますが、HIV、HBV、HCVと言ったウィルスに有効である必要があります。弊社ではTB-サイドコートと言う洗剤がこれに当たります。汚れを除去し、スプレーし、10分後に水拭きします。
その他にも洗剤の使い分けに慣れてきたら、床は床専用の除菌洗剤を使用した方が、簡単に綺麗になるなど、衛生性や美観、作業効率を上げるような洗剤の使い分けが出てきます。
繰り返しになりますが、こうした際にも専門家に相談する事をお薦めします。