環境消毒について②
先日の日曜日に医療環境管理士の試験がありました。弊社からも何人か受けたようですが、どうだったでしょうか。
さて、この試験の教科書では私なりに、非常に気になる部分があります。
世界的には感染防止には医療側の消毒とメンテナンス側の消毒が必要になることになっていますが、メンテナンス側の環境消毒という概念が殆ど見られないことです。
この分野でガラパゴス化することがないように願っています。
前回世界的にみると、消毒には人体や動物の体を消毒するAntiseptic(アンチゼプティク)と環境を消毒するDisinfectant(ディスインフェクタント)があると書きました。
Disはnot(しない)と言う意味です。Infectionは汚染とか感染と言う意味ですので、汚染しない・感染しないという意味になります。
ちなみにAntiもnotの意味でSepticは敗血症になります。敗血症(傷口などが細菌に感染してしまう事)にならないということでAntisepticになるのです。
環境消毒(Disinfectant)はメンテナンス側が請け負う部分になりますが、守備範囲が決まっています。硬質(Hard Surface=硬い)で非孔性(Non Porous=穴があいていない)の表面です。ドアノブ、手すり、デスクサイド、スィッチ・・・・などです。
Disinfectantと言う言葉を使った場合、上記の硬質かつ非孔性の場所で、対象微生物を完全不活性化する(次の人が触れるまで=再汚染されるまで、感染しないことがハッキリしている事)と言う規定があるのです。
言い方を変えると、Disinfectant Cleaner(ディスインフェクタント・クリーナー=除菌洗剤)を使った場合、対象微生物がゼロになるという事になります。
この仕組みを覚える事が重要なのは使う場所(人体とドアノブなど)や用途が異なるため、同じ薬剤を使用しても効果が異なるのです。人体では除去できない微生物でも環境消毒では不活性化出来る例が多いと言う事です。
さて、その不活性化ですが、どうやってその安全性を保障するのかと言うと、EPA(Environment Protection Agency=米国環境保護局)登録制度の仕組みがそうさせているのです。
説明は次回にいたしましょう。