オキシクリーンで精練☆煮洗いバロンタガログ | 江戸手描き友禅「染工房 まいむらさき」のそめいろ日記

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栃木県小山市でそめもの教室の講師をやっています。
染め物のコトや、じんくん(秋田犬)のコト、歴史、芸術、美術、日々の色々を綴っていきます。

染師・まいまい ですかたつむり


父の遺品
フィリピンの民族衣裳

バロン・タガログ(男性の正装シャツ)

オバマさんが着てとても似合っていたことで話題になったバロン・タガログ

パイナップルの葉の繊維でできた「ピニャ織り」の布のメンズシャツです 

麻のようだけど麻の風合いでもない
うっすらクリーム色でとても上品な風合い

シースルーなので中には柄無しの白Tシャツを着るのが基本で、黒のスラックスを履くとフォーマルになるそうです




40年くらい前に父が現地、フィリピンで購入
着用しクリーニング
30年間くらいタンスで保管
父がフィリピンの縁者の結婚式出席のため、私が黄ばんだバロンを染色の方法でハイドロ(アルカリ性)で漂白
着用、クリーニング
10年くらい経過、現在

なので

長期保管で黄ばみがひどいガーン

浮き出てきた古い謎の付着物汚れ

浮き出てきた古い汗ジミ

浮き出てきた古い皮脂汚れ跡



酸素の力で落とす
大人気のオキシクリーンでやってみた





商品説明の手順で浸けおきして2時間後くらい

最長6時間くらいが成分が反応している時間だそうですね

透明だったオキシクリーンの液体がちゃんと汚れをとってました


だけど…
肝心のバロンはまだまだくすんでいる感じ

もともとクリーム色、きなりの生地だけど
こんなだったかな
もっと透明感があったはず

襟の古い皮脂汚れ跡ももっと落とせないかな


染色作業の工程を試してみますニコニコ

オキシクリーンの使い方は熱い湯にオキシクリーンの顆粒を溶かして使うわけだから、火にかけた高い温度の湯に服と顆粒を入れて「精練」の状態にできそう

(精練とは)
生地を織る際に繊維に含ませていた糊や油、生地自体の汚れを煮て洗浄し除去すること


※基本的に布は煮ると縮みますガーン
服などはサイズが小さくなるリスクがありますびっくり
火にかけた湯の中の生地は、常に動かさないと焦げますガーン




やってみた爆笑



オキシクリーンの顆粒を入れるなり、ぶわっと発泡してぐんぐん汚れをとりだしました




15分ほどたったらこんなに汚れが!

この汚れからすると昔々にクリーニングに出したときの糊などの成分も落ちたと思われます

このまま2時間ほど放置
さらに漂白します



2時間後…

だいぶ本来の色合いになりました爆笑

古い謎の付着物汚れ、古い汗ジミ、古い皮脂汚れ跡は気にならないレベルになりましたが…

もう少し生地に本来の透明感がほしい…
まだ襟の汚れが気になる…









もう一度同じことをします






やはり、さらに汚れが落ちました






襟もキレイになりました






クリーニング屋さんに縮みを伸ばしてもらい、
プレスしてもらいました照れ



輝きを取り戻しましたよキラキラ


そういえば、クリーニング屋さんにあえて経緯を伝えないで提出してみたのですが、黄ばみ汚れを指摘されませんでしたよ




ビフォアも撮ればよかった…本当に黄色でしたガーン



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